俺は路上で生きていく

路上での一人芝居のみで生計を立てる路上役者のブログ

思い込みは、いつだってただの思い込み〜路上役者のろじょう日記〜

 

昨日の川口。

初めての川口だ!と意気込んでいた。

 

しかし、到着すると、、、

「…ん?この高架からの景色、、なんとなく見覚えが、、来たことあるな!」

 

そういえば、5年ぐらい前に一度来たことある。

駅出てすぐの高架上で細々とやってたら、たまたま秋田からの旅行中という仲睦まじい感じのご夫妻に見てもらって、喜んでくれて嬉しかった記憶が蘇ってきた。

 

当時は埼玉ではなく、東京に住んでて遠いのになぜ川口までわざわざ来たのかというと、たしか誰かに「川口でやってたら行きます!」と言われたんだと思う。

 

その人が来た記憶はないが、のこのこと信じて川口まで行ったからこそ、秋田のご夫妻に会えたと思うことにしよう。

 

ちなみに、5年ぐらいまでは渋谷で週5回ぐらいやっていた。

渋谷で路上やってると、「後で観に来ますね!」と言ってくれる人によく出会ったが、その80%は来なかった。これまじで。

 

さて、ということで、初めて!ではなく久々の川口!!

5年ぶりとなれば、もはや初めてに近い。

 

初めての場所×休み明けは、僕のビビリに拍車をかける。

さっさと決めればいいものの、やる場所を選ぶのに20分くらいかけてしまった。

 

選ぶのが面倒くさくなったので、5年前にやった場所とは違うところで始めちゃうことにした。

 

まだまだ不安そうな路上役者くん

まだまだ不安そうな路上役者くん

 

僕には、「好きな道幅」があるんだけど、川口は僕好みの道幅よりかなり広い。

 

広いとなにが悪いかって、声が届かないし、熱量も届きづらい。

1メートルの距離で、目を見ながら「ひとり芝居見てくれませんか?」と声をかけるのと、3メートルの距離で声をかけるのとでは、やっぱり反応が違う。

 

でも、そんなこと関係なく立ち止まってもらえることも多々あるので、とりあえずスタート。

 

すぐに30分経過。

まったく何事もなく0組。

 

おう。

厳しい。。

 

そういう感じか。

路上役者、失望。

 

僕の肌感覚では、「ひとり芝居観てくれませんか?」という声かけに対して、最も多いのが無視で90%。

残りの10%のうちの9%は、軽く頭を下げたり、「ごめん」の意味で手を挙げたり反応してくれて、1%の人が実際に足を止めて観てくれる。

 

でも、川口では、やはり道が広いためか、そして暗いことも相まってか、反応してくれる人が、いつもより少なく感じた。

 

もう少し粘ろうかとも思ったけど、心が折れそうだったので、気分転換も兼ねて場所を移動した。

5年前と同じ場所だ。

 

再開。

15分経過。

まったく何事もなく0組。

 

おう。

厳しい。。

 

今日は、そういう感じか。

路上役者、絶望。

 

そんなことを思いかけたそのとき、ピンクのジャケットが目を引くお姉さんが、近づいてきた。

 

聞くと、声優の専門学校に通われているそうだ。

路上ライブが好きで、珍しい路上芝居に目を惹かれ、話しかけてくれた。

 

芝居を観てもらって、「演技すごくよかったです」と言ってもらえた。

路上役者、歓喜

 

先発ピッチャーは、最初の1アウトを取るまでは緊張すると言われてるけど、路上役者も、最初の1人に見てもらうまでは緊張する。

 

1アウト取った。

路上役者、安堵。

 

そして、そのわずか5分後、一人の男性が近づいてきた。

「亮佑さんですか?」

 

この方は、僕が渋谷の路上で4年ほど前に出会った、YouTubeヤクルトスワローズ応燕チャンネル「つばめ魂」を運営するテツヤさんのファンの方だった。

 

僕も20年来のベイスターズファンであり、プロ野球ファンなので、テツヤさんの「つばめ魂」の生配信には、何度かゲストで出させて頂いたことがある。

www.youtube.com

その生配信を見て僕を知って、今日は来やすい川口にいたからということで来てくださったのだ。

 

おう。

嬉しい。。

これは嬉しすぎる。。

路上役者、超歓喜

 

路上での出会いが、さらに出会いを広げてくれる。

僕は、いつも与えられてばかりだけど。

 

もう少し、色んな人に与えられる存在になりたい。

でも、本当に嬉しかった。

 

45分0組というドン底スタートからの、嬉しい出会い2連発。

3三振からの2打席連続ホームランを打ったような気分だ。

すっかりご機嫌になった路上役者

すっかりご機嫌になった路上役者。マウスシールドを外す余裕も見せている

 

そのお次は、大人な雰囲気を持った女性の方。

これまた非常に面白い方で、振付師らしいのだが、来月新宿文化センター大ホールというキャパ1800のクソ大きい劇場で、主演を任されたらしい。

 

役はなんと14歳の少年役。

演出家に見出され、振付師として携わる予定だったのに、主演に抜擢されてしまったらしい。

 

たまたま僕がやったひとり芝居の演目が、11歳の少年役だったので、「すごく参考になった」と言ってもらえた。

 

その後も、近くの二郎系ラーメンで食い過ぎて気持ち悪くなった満身創痍のお兄さんなどに見てもらった。

 

「あと1〜2組見てもらえたら終わりになっちゃうかな」などと考えてた、22時前。

1人の男性が話しかけてくれた。

 

「この亮佑って、お兄さんの本名ですか?」

 

聞くと、なんとこの話しかけてくれた男性も、「亮佑さん」らしい。

漢字もまったく同じ。

 

すぐさま、「亮佑」は、メールなどで「亮祐」や「亮介」に間違えられることがほとんどで合ってる方が少ない、「りょうすけ」では一発変換されなくて、「りょう」と「すけ」に分けて変換しなきゃならないなど、誰にも伝わらない「亮佑あるある」で盛り上がり、出会って25秒で打ち解けた。

 

亮佑に生まれてよかった。

 

立ち止まってくれた「亮佑さん」は、今日仕事で嫌なことがあり、気分が浮かない状況で歩いてたら、路上役者の「亮佑」を見つけ、一度かなり先まで通り過ぎちゃったけど、後悔することになるからと、わざわざ戻ってきてくださったらしい。

 

路上役者、とても嬉しい。

 

路上というのは、通行人の人にとってはスイッチがオフになる場所だけど、僕にとってはほぼ戦場なので、ゴリゴリにスイッチがオンになってる。

 

「今日嫌なことがあって、、」

という人が立ち止まって話しかけてくれるケースは、今までにもけっこうあって、スイッチオンの目がバキバキに決まってる僕のカラ元気でも、誰かの力になれれば、すごく嬉しい。

 

それも、エンタメの一つだと思うから。

 

スタートは45分0組で、休み明けでずっとソワソワしてたし、「今日は厳しい日だな」とかなり覚悟してたけど、終わってみればめちゃくちゃ楽しい日だった。

 

でも逆に、「今日はイケるぞ」って日がてんでダメなこともある。

 

思い込みは、いつだってただの思い込み。

そんなことを思いながら、今日はこれから北浦和にいってきます!

 

わざわざ戻ってきてくれた「亮佑」さん

わざわざ戻ってきてくれた「亮佑」さんと。

 

 

 

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