俺は路上で生きていく

路上での一人芝居のみで生計を立てる路上役者のブログ

300時間働いて、37,000円しかもらえなくても、またやりたくなった仕事

 

どうも!路上役者亮佑です!

 

舞台って不思議な魅力があると思うんですよね。

僕も、舞台の魅力にハマった人間の一人です。

 

でも、僕はずっと舞台に立ちたくなかった。

舞台をやったら、友達を呼ばないといけないからです。

 

僕は、自分の芝居に対して、友達からお金を払ってもらう自信が全くなかった。

嫌だった。とにかく嫌だった。

 

そして、いざ実際に舞台をやってみると、まあ大変。

まず、稽古がめちゃくちゃ大変。

 

稽古開始当初の1日のスケジュールは、

 

11時ー起床

13〜22時ー稽古

24〜4時ーバイト

5〜8時ー台本読み込み・セリフ暗記・告知メール作成

11時ー起床

13〜22時ー稽古

 

毎日、この繰り返しでした。

この毎日を3週間繰り返して、1週間の本番に臨む。

 

そして、稽古中は、空いた時間を見つけて、友達や知り合いに「舞台きてください」という告知メールを送りまくる。

 

「このままじゃダメだ。何かを変えなければ」

と臨んだ初舞台ですが、とにかく自分の芝居に自信がなかったので、友達に「観にきて」と告知メールを送る作業が、精神的にかなりキツかった。

 

そして、稽古が終わっても、その日のダメ出しが常に頭の中を占拠し、「こんな俺の芝居は、楽しんでもらえるんだろうか」という不安に、15秒に1回押し潰されそうになる。

 

稽古開始から本番終了までの1ヶ月間で、1000回はこう思いました。

 

「ダメだ、しんどすぎる。もうこれで舞台は終わりにしよう」

 

1日9時間の稽古を3週間行い、1週間は本番で拘束される。

費やした時間は、稽古と本番の時間だけを合わせても、悠に200時間以上。

台本の読み込みや告知メールを送った時間を合わせれば、300時間以上になるかもしれない。

 

時給1000円で300時間バイトしたら、30万もらえるけど、初舞台の僕のギャラは、37500円

 

この37500円以外に、稽古場・劇場までの交通費や昼食代などはもらっていない。

そして、僕は本番終了後、こう思っていました。

 

「もう一回、やりたい」

 

謎すぎる。

僕は、この「これで舞台はやめよう」→「もう一回やりたい」の謎ループを初舞台から6回ぐらい繰り返しました。

 

これが、舞台の不思議な魅力だなと思うところです。

 

今まで共演した方の何人かに聞いてみましたが、この謎ループには、高確率で共感してくれました。


じゃあ、舞台の魅力はなんなのか?

 

一言で言えば「一体感」だと、思います。

そして、その根源にあるのが、

「友達や知り合いを呼んでいる」という小劇場ならではの事情なのかなと思っています。

 

僕は今まで、10回舞台に立ってきました。

1回の舞台で、多くて20人以上の座組になるので、人間的に合わないなって人もいました。

 

でも、いくら人間的に分かり合えない人だったとしても、本番では「少しでもいい作品にする」ために、力を合わせる。

 

なぜ、嫌いな人とでも力を合わせられるかというと、「少しでもいい作品にしたい」という想いを同じレベルで共有しているからです。

 

そして、少しでもいい作品にしたいのは、観に来てくれる大切な友達や知り合いに、つまんないものは絶対に見せられないという想いがあるから。

 

芝居への取り組み方が違っても、人間的に馬が合わなくても、少しでも良い作品にしたいという想いは、全員が全く同じように持っている。

 

お客さんに楽しんで欲しいという気持ちも、本番前の緊張感も、一人残らず全く同じレベルで共有できる。

 

だから、特別な一体感が生まれる。

 

10人も20人もいる集団が、全員が全員、全く同じ熱量で、1ミリもズレずに同じ方向を向いている。

 

これが、舞台が最高に楽しい一番の理由なんじゃないかなと思います。

 

もちろん、これ以外にも魅力はたくさんあるけど、これが一番かなと思う。

その時に味わえる団結力と一体感には、めちゃくちゃ中毒性がある。

そして、この一体感は、舞台以外ではなかなか体験できない。

 

まさか、「友達を呼ばなきゃいけない」というずっと舞台を避けてきた理由が、舞台にハマる根本的な理由になるとは思ってなかった。

 

「自分以外の大切な人のために頑張る」というのは、物凄く大きな原動力になる。

 

だから、300時間で37500円しかもらえなくても、またやりたいと感じたんだと思う。

 

もちろん、300時間働いて、4万円弱しかもらえないのは、それはそれで問題なのですが。

 

1日でも早く、舞台でしか味わえない一体感をまた体感するために、行動していきたいと思います!

 

300時間働いて、37000円しかもらえなくても、またやりたくなった仕事

 

 

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