12月18日、川口。
めちゃくちゃ寒かった!今日は、今季一番の寒気がきてるらしい。
家出た瞬間は、「なんだ大したことねぇな。3時間くらいなら路上できそうだ」って、高を括ってたけど、始めてみたら段々笑えない寒さになってきた。
かなり寒い日でも、芝居やったら体が温まるので、30分に1組くらい観てもらえれば、なんとかなるんですよね。
でも、観てもらえないとなかなかしんどい。
早上がりの目安は、足先の感覚がなくなったらと決めてるので、とりあえず限界までやろう。
15分経過。0組。
。。。
30分経過。0組。
おっと雲行きが怪しいぞ。
なんて思ってたら、1組のご夫婦が止まってくれた。
ありがてぇ!!!
「さっきからずっと気になってたんだよ。だから戻ってきちゃったよ」
と言って、500円をくれた。
先払いパターンだ。
いつものように僕は、「投げ銭なので、ダメだったら没収してくださいね」と言いつつ芝居を始めた。
ところが。
旦那さんの方は、僕が芝居をしている最中、基本こっちを観てなかった。
路上では、お客さんとの距離がめちゃくちゃ近いので、お客さんがどんな感じで観てるのか様子が分かる。
僕からは、旦那さんの目ではなく、帽子のツバしか見えなかった。
ずっと俯いていて、耳だけをこちらに傾けてる感じ。
まさかの、お客さんが自主的にラジオドラマにする観劇スタイル。
3分のひとり芝居という名のラジオドラマがおわった。
「面白くないな」
「でしょうね!」と言いそうになったが、奥さんは楽しんでくれていたので、まだよかった。
「これじゃ500円は払えねえな」と、先払いの500円は100円になった。
でも、長らく路上やってきて、立ち止まってくれたけど、芝居中ほとんどこっちを観ない人ってけっこういるんですよね。
周りが気になるのか、恥ずかしいのか、俺の芝居に熱が感じられないのか…
とりあえず、こんな寒空の下、ラジオドラマだったらたぶん家で聞いたほうがいいし、俺も室内で収録したいよ!
そんなことを思いながら、次への呼び込みを再開した。
15分経過。0組。
。。。
30分経過。0組。
おっと雲行きが怪しいぞ。
なんて思ってたら、1人のお兄さんが止まってくれた。
ありがてぇ!!!
「一回通り過ぎたけど、気になったので戻ってきました」
30分観てもらえなかった後に、戻ってきてくれた方。
ん…?既視感があるぞ…
「千円でいいですか?」
先払いパターンだ。
これも既視感がある…
これはもう、そういうことだな。と思って、さっきと同じ演目を自分でチョイスした。
リベンジや。
幸い、お兄さんは帽子を被っていない!
芝居中、こっちを観てくれている…
感想は…
「お兄さん!よかったよ!」
「でも、お兄さんはもう少し歳取ってから売れるね。俺はそういうのよく当たるんだよ。俺、嘘は言わないから。お兄さんの顔は、もう少しシワが出てきたから、味が出る顔だし、芝居も上手いし、絶対にもう少し経ったら絶対売れるよ」
先ほどの悔しさがあった分、素直に嬉しかった。
ありがとうございます。僕、あなたの言葉を嘘にしないように頑張ります。
本当にありがとうございます。
路上には、本当に色んな人がいる。
「なんでそんなこと言うの?」という悪魔のような人もいれば、「なんでそんなことしてくれるの?」という天使のような人もいる。
まぁもちろん、その悪魔も天使も、僕にとってはというだけで、僕にとって悪魔のような人は誰かにとっての天使だろうし、逆も同じ。
そんな僕も、誰かにとっての悪魔で、誰かにとっては天使だと思う。
誰もが、誰かにとっての悪魔で、誰かにとっての天使。
1組目の旦那さんにとって、僕は悪魔だったかもしれないし、2組目のお兄さんは僕を天使と思ってくれたかもしれない。
そんなことを考えていたら。
「寒いけど、頑張ってね」
芝居を見ずに、さっと千円札を置いていってくださった方がいた。
今は時間がなくて、芝居は見れないらしい。
ぜひ次回、芝居を観てみて良かったらください、と伝えたが、それでも渡してくれた。
ここにもまた天使のような人がいた。
エンターテイメントというのは、本当に不思議な力がある。
「この人は自分にとっての悪魔かもしれない」と第一印象で抱いたとしても、芝居で通じ合えると、天使のような関係になることもある。
こないだ久喜駅でそんな出会いがあった。
芝居の力を借りて、エンタメの力を借りて、自分にとっての天使を増やす努力をしていきたいと思います!
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