俺は路上で生きていく

路上での一人芝居のみで生計を立てる路上役者のブログ

嬉しい出会いと嬉しい出来事、そして「大丈夫?家はあるの?」〜路上役者のろじょう日記〜2022.11.28@大宮

 

「大宮駅東口で火災があったため、只今東口はご利用できません」

 

駅の構内に騒々しくアナウンスが流れてる。

 

大宮駅は、何度か来たことはあるものの、路上をやるのは初めてだ。

さすが、1日22万人が利用する埼玉最大級の駅。

 

人通りが多すぎると人が流れてしまい止まってもらいづらいため、人通りが多すぎない場所を探した。

 

どの駅に行っても、「こんなところで誰か見てくれるんだろうか?」と、弱気のリトル路上役者がいつも顔を出す。

 

心の中に、いつも自信に満ち溢れているケイスケ・ホンダを飼いたい。

 

始めたらどうってことないけど、始める前は基本ナーバスになる。

 

「ここがいいかな」という場所が見つかるも、念のためと無駄に色んな場所を視察に行ってしまうナーバスタイム到来。

 

結局、いつも最初に候補に挙がった場所になる。

この日もそうだった。

 

夜って強いと思いませんか?(唐突な問いかけ)

 

6年ほど前、「お金と携帯を持たず、ヒッチハイク屋久島を目指す」というファンキーな旅をしてたんですが、一番ネガティブになるのは、やっぱり夜でした。

 

あんなに夜が怖いと思ったことはない。

 

夜になる度に、昼間のポジティブシンキングが嘘のように、ネガティブが顔を出す。

 

でも、これは人間の本能なんだと思う。

 

だって、人類が誕生したのは、500万年前だけど、電気が登場したのは200年前とかだよ?(唐突なウンチク)

 

電気がない時代の方が圧倒的に長くて、夜は危ないから、ネガティブになって、極力何もしないほうが生存確率が上がったんだと思う。

 

だから、その時代の「夜は警戒すべし」という本能的なものがまだDNAレベルで染み付いてるんだと思うことにしてる。

 

本能には、勝てない。

俺が弱いんじゃない、夜が強いんだ。

 

夜を持ち上げることによって、自分を正当化しつつ、大宮の夜がスタート。

 

10分経過。

0組。

 

どうだろう、厳しいかな?

さらに5分が経った頃、男性が声をかけてくれた。

 

ツイッター、フォローしてるんですよ!」

 

聞くと、昔劇団を主宰しており、10年ほど前に辞めたが、最近演劇への熱が再び燃え上がってきたところに、ツイッターで路上役者の名を見かけ、ずっと行きたいと思ってくれていたらしい。

 

嬉しい、とても嬉しい。

 

やっぱり、信じて行動してれば、時々こういうご褒美が与えられる。

 

まだ月曜だというのに、仕事帰りにせっかく来てくれたので、調子に乗って3本も芝居を観てもらった。

 

今度は時間が合えば友達連れて観に行きたいと思います!

と言って頂けた。

 

とても嬉しい。

 

こんなことがあれば、もう正直今日は満足だ。

 

1時間くらい芝居観てもらったり、話したりした後、次の人に声を掛けようと、ふと携帯を見ると、こんなツイートが。

 

 

2週間前までやってた舞台『CAFÉ de 金剛』で、共演した松田悟志さんからのツイート。

 

キャリアも知名度も、マクドナルドの揚げたてポテトと冷めたポテトぐらいの圧倒的な差があるにも関わらず、悟志さんは分け隔てなく、人を見て、接してくれる。

 

このときばかりは、路上役者亮佑こと冷めたポテトも、心がホクホクに温まった。

 

すぐに、スクショ撮りました。

この言葉で、まじで1年は頑張れる。

 

嬉しい出会いに、嬉しい出来事。

あとでマイナスの埋め合わせが来そうだ。

 

やめてください、神様。

謙虚なポテトでいますから。(たぶんポテトの例えはハマってない)

 

でも、まだ2時間あるので、貪欲に次のいい出会いを求めて振り絞る。

 

勢いで買ってしまって後悔してた割引のパンをくれたお兄さんや、キャピキャピ系女子に普段やらない芝居を披露したりした。

 

リアクションは上々。

 

いいことが立て続けに起きて、完全に調子に乗っている。

分かりやすく調子に乗っている路上役者の写真

分かりやすく調子に乗っている路上役者

そんな感じで、絵に描いたように調子に乗っていると、一人の女性が立ち止まってくれた。

 

最近は時間的な余裕がなくて行ってないが、昔は演劇を観てたらしい。

 

喜びをテーマにした『大変、申し訳ございませんでした』というタイトルの芝居をやる。

 

「ここは路上で何もないのに、情景だったり相手がいるのが見えたし、感情もはっきりと読み取れた」

 

と、ベタ褒めされる。乗り切れないぐらいの調子になってきた。

さらに、その後も、

 

「あなたは、相手との壁や垣根を作らないことが魅力。路上でこういうことをやっていると、否定する人もたくさんいると思う。むしろ、そっちの人の方が多いと思う。でも、自分を信じてやっていくことが一番重要。不信や不安が一番よくない。自信を持ってやっていけば絶対大丈夫だよ」

 

と、熱く話してくれた。

 

素直に、嬉しかった。

 

今日は、なんていい出会いばかりあるんだ。

 

お姉さんは、続ける。

 

「でも、心配になっちゃう。あなた、大丈夫?家はあるの?今日はどこで寝るの?」

 

おっと。

唐突な問いかけだ。

 

どうやら、お姉さんは、僕のバックパックを見て、旅人だと思ったらしい。笑

 

 

実際、このバックパックは、ヒッチハイクの旅をするために買ったので、旅人感が醸し出されるのか、旅人に間違われることはよくある。

 

「大丈夫ですよ。家ありますから。」

 

僕がそう言うと、お姉さんは安心した顔をして帰って行った。

 

さ、僕も家に帰ろう。

 

今日はこんな感じ。

最近、本当にいい出会いが多い。

 

幸せです。

 

あと、この日やった場所は高架下なので、雨でもできる!

ついに、十条しかなかった雨の日の路上場所が見つかったことも、めちゃくちゃ大きな収穫でした。

 

それでは、また明日!

 

嬉しい出会いと嬉しい出来事、そして「大丈夫?家はあるの?」

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