僕が知らない演出家の舞台に絶対出ない4つの理由
どうも!路上役者亮佑です!
僕は舞台に出るかどうかを決める際、絶対に譲れないことが一つあります。
それは「知らない演出家の舞台には出ない」ことです。
知らないというのは、名前を聞いたことがないという意味ではなく、
その演出家が演出した舞台を見たことがないという意味です。
そして、この記事を読んでいる方で、
まだ舞台に立ったことはないけど、いずれは舞台出演も考えているという人にも、
知らない演出家の舞台に出ることは絶対にオススメしません。
〜目次〜
- 【前提;演出家は死ぬほど重要】
- 【絶対に出ない理由①;作品に自信が持てない】
- 【絶対に出ない理由②;お客さんが損をする】
- 【絶対に出ない理由③;自分が損をする(お客さんを失う)】
- 【絶対に出ない理由④;演出家の言葉を信じられなくなる】
- 【まとめ】
【前提;演出家は死ぬほど重要】
舞台を経験する以前、
僕は演出家というものが、具体的にどんなことをするのか全く知りませんでした。
初舞台の稽古のとき、ものすごい衝撃を受けたことを覚えています。
役者がどこから舞台に出て、どこにハケるのか。
どこに立って、どこに座るのか。
セリフをどのように言うのか、どのように聞くのか。
初舞台のときは、とにかく自分が未熟だったということもありますが、
「演出家が全てを決める」のです。
そしてその全てが、明らかに自分より上手いし、面白い。
そのときの僕の正直な気持ちは、
「演出家が一人で全部の役をやったほうが確実に面白くなるな」でした。
もちろん脚本も重要ですが、演出家も同じか、それ以上に重要です。
舞台が面白いものになるかどうかは、少なくとも80%は脚本と演出で決まります。
映画と舞台の違いはありますが、小津安二郎が天才と称した清水宏監督が、
「役者なんか、モノを言う小道具」という言葉を残しました。
それは多少言い過ぎかもしれませんが、
重要度で言えば、「演出家>役者」の式が成り立つのは、明らかです。
【絶対に出ない理由①;作品に自信が持てない】
舞台において、演出家は死ぬほど重要なので、
知らない演出家の舞台に出ることほど危険なことはありません。
まず、その舞台が面白い作品になるかどうかの「確証」が持てません。
小劇場の舞台の場合、出演オファーが来た段階で、脚本が完成してないことはザラです。
そこでさらに、知らない演出家となると、
面白さの80%を決める「脚本と演出」が不確定要素になります。
脚本もできてない、演出家も知らない、という状態で、
「この舞台はきっと素晴らしいものになる!」と思えるはずがない。
作品の完成度に自信が持てなくなるのです。
「今回の舞台は面白くなるかな?」という状態で、出演オファーを受けるなんて完全にギャンブルです。
そのギャンブルが成功した場合は結果オーライですが、
もし、失敗してしまった場合は地獄です。
しかし、たとえ一度だけでも、その演出家の舞台を見たことがあれば、
「この人はあれほど面白い舞台を作り上げられる人だから大丈夫だ」と確証が持てます。
"拠り所"ができるのです。
この"拠り所"が、僕は死ぬほど重要だと思っています。
【絶対に出ない理由②;お客さんが損をする】
「この人なら絶対面白くなる!」という"拠り所"がないと、
お客さんに言う「面白いので観に来てください!」という言葉がウソになります。
しかし、役者として出演を決めた以上、集客はしないといけないので、
「是非観に来てください!」と告知を続けるしかない。
「知らない演出家の舞台に出演する」というギャンブルは、
「面白い舞台になるかどうかわからない」というリスクを生みます。
そして、その自分が打ったギャンブルのリスクは、お客さんにも負わせることになってしまうのです。
【絶対に出ない理由③;自分が損をする(お客さんを失う)】
そして、ギャンブルが失敗に終わった場合。
つまり、その舞台がつまらなかったり自分の好みと合わなかったりした場合、本当の地獄が待っています。
「つまらないな」と感じたお客さんは、単純に損をするし、次の舞台への足が遠のくだろうし、
その一回限りで、二度と来なくなってしまう可能性だってあります。
自分が打ったギャンブルのリスクは、一度お客さんの元に行き、最終的には、間違いなく自分の元に返ってくるのです。
【絶対に出ない理由④;演出家の言葉を信じられなくなる】
ギャンブルが終わった場合の地獄はまだあります。
舞台は、稽古期間が長いです。
多くの場合、短くても3週間はあります。
その稽古期間は色々なことが起こります。
僕の経験上、その稽古期間に自分の演技にも作品自体にも、
自信を持てなくなる時期が必ず一度はやってきます。
そのときに「この人なら大丈夫だ」という"拠り所"があるかないかで、大きく変わってきます。
拠り所がない場合、演出家にダメ出しをされたとき、
「言われた通りやったほうが本当に面白いのか?」と、邪念が生まれます。
そんな邪念が生まれるようになってしまったら、
長い稽古期間は辛さしかないでしょう。
作品への不安、自分の演技への不安、お客さんの満足度に対する不安。
想像しただけでも、気が重くなってきますね。
【まとめ】
ここまで、知らない演出家の舞台には絶対出ない!と言ってきましたが、
実は一度、僕も知らない演出家の舞台に出たことがあります。
それは、初舞台のときでした。
始めにも言いましたが、実際に舞台を経験するまで、僕は演出家の仕事が何なのかも知りませんでした。
なので当然、どれだけ重要なのかも知りませんでした。
でもその初舞台のときに、演出家の絶大な重要性を身にしみて知りました。
だから、まだ舞台を経験してなくて、演出家の重要さを知らずに、知らない演出家の舞台に出てしまい、
役者自身もお客さんも損をしてしまうようなことが少なくなればと思い、この記事を書きました。
誰も得をしないのでね。
舞台に出る際は、最低一回は事前にその演出家の舞台を見ること。
僕はこれを、強く強くオススメします。
路上役者亮佑のTwitter→路上役者亮佑 | Twitter
路上役者亮佑のFacebook→路上役者亮佑 | Facebook
路上役者亮佑のInstagram→路上役者亮佑 | Instagram