7万人に1人に好かれれば、舞台役者で食っていける。
僕はそう考えて、6年前に路上での活動を始めました。
なぜ、7万人に1人なのかというと…
まず、6年前の僕のチケットバック(自分で売ったチケットの枚数に応じてギャラが増えていくシステム)のギャラだと、チケットを150枚売って、ようやく1人の人間が1ヶ月東京で暮らしていける、くらいの月収でした。
1回の舞台をやる際は、だいたい2−3週間稽古して、その後1週間本番がある、という感じです。
なので、1回の舞台で少なくとも1ヶ月は潰れます。
つまり、どう頑張ったって、舞台は1ヶ月に1回、年間12回が限界です。
12ヶ月に12回の舞台に立つのはかなりしんどいですが、まぁそこは気合でなんとかするとして、1回あたり150人×12回=年間延べ1800人というのが、僕が舞台で食っていくために必要な集客数の目安でした。
じゃあファンは何人ぐらいいればいいんだろう?
ファンが150人いたとして、そのファンが毎月欠かさず舞台に来てくれれば、僕は食いっぱぐれない。
でも、150人のうち全員が全員毎回来てくれるなんて、さすがに夢物語すぎます。
そこで仮に、3回に1回舞台に来てくれる人をファンと呼ぶとすると、必要なファンの数は、150人×3で450人。
少し多めにとって、500人としておきましょう。
じゃあ、500人の人にファンになってもらうためには、どうすればいいか?
まず、自分を知ってもらう必要がある。
自分のことを知らなければ、自分のファンになるだとか、舞台に行くだとかという選択肢はそもそも生まれません。
幸い、東京は世界でも珍しいほど人口が多い都市です。
さらに、日常的に神奈川や千葉、埼玉から人が来る。
そこでザックリ東京・神奈川・千葉・埼玉の人口を調べてみると、合計が3600万人でした。
3600万人のうちの500人。
つまり、約7万人に1人。
69999人に嫌われても、そのうちの1人に好かれれば、俺は舞台役者として食っていけるんだな…
7万人に1人。
69999人に嫌われても、そのうちの1人に好かれればいい。
だったら、誰でも出来るんじゃね?
この考えがベースとなって、僕は路上芝居を始めました。
でもこの考えは、「一度ファンになってくれたら、それ以降はずっと僕のファンでいてくれて、3ヶ月に1回は僕の舞台に来てくれる」という前提になっていて、新規を増やすことと同じくらい重要で難しいリピート率の問題が抜け落ちてたり、とにかくガバガバです。
ガバガバすぎて、いま「あれ、こんなはずじゃなかったんだけど…」ってなってます。笑
500人のファンを作ること以外にも、リピート率を高めないといけないし、演技力ももっと高めないといけないし、課題は山積みです。
でも、小劇場というのは、とにかく内向きな業界です。
お客さんの大半は、出演者の友達や知り合い、家族や過去の共演者といった身内です。
6年前、初めて舞台に立ったとき、自分の力だと小劇場に立ち続けるだけでは100%ファンは増やせない、と思いました。
僕のお客さんが僕の友達や知り合いで、僕を観に来てくれているということは、他の出演者のお客さんはその人の友達や知り合いで、その人を観に来ているということです。
他の人を観に来ているお客さんの心を鷲掴みにし、自分の次の舞台のお客さんにすることは、めちゃくちゃハードルが高い。
だから、僕は劇場だけではなく、外にも出なきゃいけないと思い、まさに文字通り外である路上を選びました。
6年も経てば、価値観だったり考え方だったりが少しずつ変わってくるもんですが、やっぱり舞台は素晴らしいです。
いい舞台を観に行く度に、「舞台役者の人って凄いな」って他人事のように思いますし、同時に「僕もあんな凄い人になりたいな」と強く思います。
自分の課題に向き合って力つけて、お芝居を仕事にして、凄い役者になるために、人生賭けて試行錯誤しながら、もがきにもがきまくっていきたいと思います!
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