路上でのひとり芝居を続けて丸6年になった。
ちゃんと数えた訳じゃないけど、今まで芝居を観てもらった人数は軽く1万は超えると思う。
肌感覚で、1人に観てもらうために100人には無視されてるので、無視された数は100万人は優に超える。
もしも、無視されたことのある人数の日本ランキングがあったら、僕はたぶん街頭演説をする政治家と一二を争うデッドヒートを繰り広げてる。
「6年も続けてるなんて、本当に凄いです」
なんてこともよく言われる。
でも、ここまで続けてきて、いま凄く思うのは、続けることより辞めることのほうが難しい、ということ。
”継続は力なり””石の上にも三年”という言葉があるように、一般的に何かを続けることは良しとされる。
たしかに、三日坊主で何かを始めても全く長続きしないのは、良くないことかもしれない。
路上を始めた当初、毎週月曜日の20時から新宿駅に立つって決めてたけど、毎週毎週月曜日がくるのがとにかく憂鬱だった。
路上が終わった後は、やり遂げた達成感と安堵感があり、余裕シャクシャクの火水木を過ごし、金曜あたりから徐々に不安と憂鬱でドン底に沈んでいくあの憂鬱さが懐かしい。
その時の僕にとっては、明らかに辞めることより続けることの方が難しかった。
6年間続けてきたということは、365日X6=2190日、毎日毎日”辞める”ではなく”続ける”という選択をし続けてきたということ。
最初の方は、この”続ける”という選択をすることが難しかった。
でも、新学期が始まるときの憂鬱さが、徐々になくなっていくように、続けていくうちに、その”続ける”のハードルは少しずつ下がっていった。
そしていつしか”続ける”ことのハードルは、”辞める”よりずっと低くなった。
初めて路上やったときは、色んな人に驚かれたけど、今日僕が路上をやっても誰も驚かない。
逆に、「今日で最後にして辞めます」と言ったほうが驚かれる。
そもそも、何かを辞めることは、何かを新しく始めることなので、辞めるということは、そんなにマイナスなことでもない。
でも何かと、辞めることよりも続けることのほうが美化されるけど、一定のラインを超えると、その価値は逆転すると僕は思う。
だからこそ、全盛期で引退した山口百恵は伝説のアイドルだし、「ファンの皆さんのなかに“いい状態の安室奈美恵”を思い出として残してほしい」と言って辞めた安室奈美恵も格好良い。
キングカズは、どこまでいっても”続ける”ことのほうが難しいので、あれは続けるほうが格好良い。
話それた。
そして、僕は今日も”続ける”という選択肢を取る。
でも、それで本当にいいのか考え続けないといけない。
いまの僕にとっては、続けることより辞めることの方が難しい。
難しいということは、その方が価値がある。
「せっかく続けてきたから」「辞めるともったいないから」という理由だけで、惰性だけで続けていくのは、格好悪い。
本当にいまの形でいいのか、常に辞めるという選択肢、他の選択肢も考えながらやっていきたい。
そう、思います!
今日もめっちゃ寒いので、身体にはお気をつけて!
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