俺は路上で生きていく

路上での一人芝居のみで生計を立てる路上役者のブログ

役者がカネを稼ぐためにすべきたった一つのこと【スキルを上げることではない】

 

「芝居でカネを稼いでいく」

「役者としての収入を上げる」

 

舞台は、決して金回りがいい世界とは言えないし、ドラマやCMなどの映像の世界は、金回りはいいけど、継続的に仕事をとるのは難しい。

 

役者にとって、役者として稼いでいくというのは、とても大きな課題です。

 

僕も役者を始めて以来、ずっと役者としての年収が数万円とか、あわよくばゼロを7年ぐらい続けていました。

 

いまは、カッツカツの中、なんとか役者としての収入で暮らせるようになり、一つ気づいたことがありました。

 

タイトル

 

〜目次〜



【収入を上げるためにすべきことは、金持ちを捕まえること】

 

役者が、カネを稼ぐためにすべきことは、たった一つで、「金持ちの客を捕まえること」です。

つまり、大切なのは「金持ちに気に入られること」

 

お金を稼ぐには、お金を払ってくれるお客さんを捕まえるしかありません。

いわゆる"太客"を捕まえなきゃいけない。

 

太客の説明

 

とてもシンプルですね。

 

シンプルすぎて「当たり前やん」と思うかもしれませんが、実際にそのための努力をしている役者は、僕が出会ってきた中では、ほとんどいません。

 

そして、僕も最初はそうだったんですが、多くの役者は幻想を抱いています。

 

「芝居が上手くなれば、役者としての収入も上がるはず」と。

 

でも同時に、この考えが幻想であり、間違えであることも、多くの役者は気付いています。

 

なぜなら、「芝居で食えてはいないけど、めちゃくちゃ芝居が上手い役者」を、誰よりも近くで、そして数多く見てきているからです。

 

 

【芝居の「スキルは関係ない」】

 

つまり、残念ながら、役者としてのスキルを上げることは、収入を上げることにはつながりません。

 

お金という視点"だけ"から見ると、自分の芝居にめちゃくちゃ感動してくれる小学生よりも、そこまで感動はしてくれないけど、ポンッて100万円くれる前澤社長のほうが、圧倒的にいいのです。

 

 

【「金持ちを捕まえる」は、実はみんなやっている】

 

「金持ちに気に入られようぜ!」

 

なんて書くと、「カネのために芝居してんじゃねえんだよ」と言われそうですが、お金がないと芝居は打てないし、続けることができないのも事実です。

 

そして、「金持ちに気に入られよう」という行動は、役者に限らず、実は色んな人がすでにしていることです。

 

例えば、ペーペーの大学生が、就職して初めての月からいきなり20万ももらえるのは、企業という金持ちに気に入られたからです。

 

収入0だった大学4年生の3月から、月20万もらえる社会人初月の4月にかけて、急にスキルが上がったからではありません。

 

松坂大輔ダルビッシュが、高校3年時に1億円の契約金と1500万円の年俸をもらえたのは、才能と実力と将来性を、プロ野球球団という金持ちに見出されたからです。

 

収入0だった高校3年生の12月から、月収125万円もらえるプロ野球選手初月の1月にかけて、急にスキルが上がったからではありません。


(どうでもいい豆知識ですが、プロ野球の新人選手は、高校3年時の1月から年俸を12分割した額が支払われます)

 

 

【みんなどころか、シェイクスピアもやっている】

 

あの有名な劇作家、ウィリアム・シェイクスピアも、金持ちに気に入られるということを実践しています。

 

シェイクスピアの劇団は、イギリスの宮内大臣パトロンになっていたのです。

 

いまの日本で言えば、麻生太郎が劇団に出資してくれている的な感じですね。

眼力はナゾですが、資金力としては申し分なさそうですね。

 

ちなみに、シェイクスピアは、劇作家としてだけでなく、劇団の共同経営者であり、共同株主でもありました。

 

シェイクスピアが、劇作や俳優だけでなく、経営者でありオーナーもやっていたなんて驚きです。

 

シェイクスピアからは、劇作や戯曲についてだけでなく、役者や劇団の運営法も学んでいかなければなりませんね。

 

 

【演劇界はギラギラした人が少ない】

 

演劇界は、ギラギラしたやつって少ないなぁって思うんですよね。

 

演劇界に携わったことがある人は、絶対目にしたことがあるであろう文言、

 

「1人でも多くの人に、この作品を見てほしい!」

 

これは、なんなら舞台に出たことがある人は、1人残らず言ったことがあるんじゃないかぐらい、ありふれたセリフです。

 

「1人でも多くの人に見てほしい」=「1人でも多くの人にお金を払って見に来て欲しい」⇒そしてその結果として、自分にお金が入ってくれば、さらに良い。

 

ってことだと思うんで、みんな「芝居で金稼ぎたい」と思っていると思うんだけど、あまり口に出す人はいない。

 

芝居は芸術だからか、カネを目指さないことが美化されているからなのか、そこは分からないけど、お金よりも"楽しさ"や"満足感"といった、形のないものが優先される傾向にある。

 

でも、もしそれを、就活中の大学生が目指したら、ただのアホです。

 

自分を楽しませてくれ、自分にしかない個性に120点をつけてくれるヒモ男に完全コミットし、月収20万出してくれるけど、自分に75点しかつけてくれない企業を蹴ったらアホだなと思いますよね。

 

アホは、外野からみる分には楽しいけど、実際やるのは消耗します。

 

でも現状として、そんな感じのことが、いまの演劇界ではスタンダードなんじゃないかなと思います。

 

みんな"楽しさ"を追い求めて、金持ちを探す努力をしていないからです。

 

 

【おわりに】

 

役者を志しても、99%以上の人は志半ばで辞めていくと思うんですが、その原因の多くは、やっぱり「お金」ですよね。

 

稼げないから辞めていく。

 

役者として芝居で稼いだお金で、飯が食え、酒が飲め、舞台も見にいけ、旅行にもいけて、親孝行もでき、パートナーを養えて、子育てもできる。

 

もしそれが実現できていたら、苦渋の決断をした役者のうちの何人が、いったい辞めるという選択をせずに済んだのでしょうか。

 

でも、実現するためには、芝居だけをやっていてもダメ。

 

「芝居が上手くなる」ということと「役者としての収入が上がる」ことは、結び付かないからです。

 

芝居でメシを食うこと、生活も娯楽も子育ても、芝居の収入でまかなうこと。

 

簡単なことじゃないなんて分かりきってるけど、僕は絶対できると思う。

誰でもできると思う。

そして同時に、難しいからこそ挑戦したくなる。

 

さぁ、頑張りましょう。

 

年が明けた。

心機一転、新しい一歩を踏み出していこう。

 

 

 

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