25歳の時。
お金を1円も持たず、携帯も持たず、着の身着のままヒッチハイクで東京から屋久島を目指すという旅に出た。
何か、何でもいいから”凄い事”を自分の力で成し遂げてみたかった。
俳優として生活できるようになりたい。
技術もなければ、実績もない、ファンもいなければ、知名度もない自分が、俳優の世界で生きていくためには、何か人と違うことをしなければいけない。
だから、路上で芝居をしてみた。
金銭的な問題や時間的な問題によって、なかなか舞台には立てないけど、路上ならいつでもできる。
少しずつ場数を踏んでいけば、技術も上がっていけば、ファンも増えていくかもしれない。
そんな想いだった。
僕は、つまらないプライドを持っている人間だと思う。
バカにされると人より過剰に反応したり、過剰に落ち込んだりする性格だ。
でも、路上では”バカにしたい人たち”の格好の餌食になる。
「早くやれよ!」と言って譜面台を投げ飛ばされたこともあれば、指を差され「こんなんになったら終わりだな」と言われたこともある。
その度に、子どものようにメソメソと泣いたり、自信をなくしたり、落ち込んだりした。
「あんなヤツらに、俺の何が分かんだよ」
もう一度、気持ちを奮い立たせて路上に立つものの、またああいうことが起きるんじゃないか?という不安はなくならなかった。
そのうち、横目で睨むように見られたり、「ひとり芝居だって(笑)」と言われたり、こっちの方向を見てニヤけてたり、自分のことをバカにしてるのかどうかなんて実際は分からない人たちにも、過剰に反応するようになっていた。
でも、歯食いしばって続けて、観てくれた人全員の心を動かすような、凄い役者になって、力をつけて、人気が出たりすれば、こんな想いしなくてよくなるはず。
あの時は、そう思ってた。
そんな路上を6年やってきた。
7年かもしれない。よく覚えてない。
でも昨日、なぜだか分からないけど、ようやく「別に”凄い事”やらなくてもいいんだ、別に誰かにバカにされるようなことをやっていても、自分のやっていることに自信を持っていていいんだって思えた。
僕は、嫌われることをすごく恐れるタイプの人間。
知らず知らずのうちに、「皆んなに好かれなきゃいけない」「観てくれた人全員に評価されたい」と思っていたのかもしれない。
路上には、本当に色んな人がいる。
「なんでそんなこと言うの?」という自分からすると悪魔のような人もいれば、「なんでそんなこと言ってくれるの?」という天使のような人もいる。
きっとこれからも色んな出会いがあって、バカにされることも、見下されることもあると思う。
でも、自分のやっていることを、少なくとも自分だけは信じていきたいと思う。
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そんなことを考えた昨日の蕨駅での路上。
前振りが長くなりすぎたので、昨日のめちゃくちゃ嬉しかった出会いを1つだけ書いて終わりにしよう思います!
始めてから1時間ほど経ち、自ら近づいてきてくれたお姉さんが。
聞くと、ブログを読んで、僕の存在を知って来てくださったらしい。
今年の夏あたりから、藤原竜也主演の舞台『ハリーポッター』を観て、演劇にハマり始めた、とのこと。(藤原竜也スゴい!)
ブログがきっかけなんて、めちゃくちゃ嬉しいですね!
めちゃくちゃたくさんの人が読むようなブログではないし、SNSのフォロワーが多いわけでもないけど、でもやっぱり、そんなことは発信をしない理由にはならないんだと、フォロワーや読者が少ないから発信しないなんて言ってたら、一生自分のことなんか知ってもらえない。
芝居はもちろんだけど、発信もちゃんとサボっちゃいけないなと思わせてくれた出会いでした!
これからも、自分のことを知ってもらうために発信しながら、観てくれた人の心を深く動かせるように芝居も頑張っていきたいと思います!
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