「今だったら、路上よりYouTubeとかインスタとかでバズらせたほうが、集客に繋がるんじゃない?」
ということを、とてもよく言われます。
どのぐらいよく言われるかというと、
「お兄さん、笑ったときの顔が佐藤隆太に似てるね」
ぐらい、よく言われます。
(顔より気になる手の角度)
たしかにいまは、SNS・動画全盛の時代だし、インターネットは世界中の人と繋がれるので、路上よりもはるかに多くの人にアプローチできます。
でも僕は、自分のファンになってもらい、舞台に足を運んでもらうためには、SNSやYouTubeよりも、路上のほうが効率がいいと思っています。
【直接会うことこそファンになってもらう近道】
なぜ路上のほうが効率的だと思うのかというと、
それは、熱量や人間性を伝えるには、直接会うことが一番だと思っているからです。
僕はファンを増やすために、路上に立っています。
具体的に言えば、僕の舞台に来てくれる人を増やしたい。
舞台に足を運んでもらうには、おそらく並大抵の「好き」じゃ無理です。
「かなり好き」になってもらわないといけません。
"深く"好きになってもらわないと難しいでしょう。
そして、その好きの"深さ"を出すためには、単純な「上手い」や「面白い」だけでは足りないと、思っています。
【ネットで勝負すると、世界ランク3位くらいまでに入る必要がある】
SNSやYouTubeをキッカケにして、リアルのイベントや舞台に来てもらうくらいの「かなり好き」になってもらうことは、とてもハードルが高いです。
僕は、ネットで知った表現者のライブやイベントに実際に足を運んだことが2度あります。
一つは、「めちゃくちゃ感動した歌手」で、
もう一つは「めちゃくちゃ感動した歌手」です。
(同じやん)
これを言い換えると、ネットで知って、実際に会ってみたいと思った「俺的世界ランキング1位と2位の人」です。
たしかに、ネットで勝負すれば、理論上は世界中の人々にアプローチすることができます。
このことは、お客さん側からすれば、好きなアーティストや表現者に会える選択肢が圧倒的に増えたことを意味します。
しかし、圧倒的に増えたのは選択肢だけであって、「ライブやイベントに行く数」が増えたわけではありません。
当たり前ですが、予算や時間には限りがある。
そして、それぞれのお客さんは、ネットで見て、実際に会ってみたいと思った「オレorワタシ的世界ランキング1〜5位」くらいまでの人にしか会いに行けません。
もはやどこでも聞かれるようになった言葉ですが、表現者は今やジャンルを問わず、自分以外の全てのエンタメがライバルになるわけです。
しかしそんな中で、自分の舞台に足を運んでもらうには、結局どうにかして、「その人的世界ランキング3位」くらいまでに入るしかありません。
そして、そのためには、やはりいかに"深く"好きになってもらうかが重要です。
【僕は、マジでビビってる】
YouTubeは、本当にたくさんの人が見ているし、本当にたくさんの人が動画を上げています。
そこで、深く好きになってもらうこと、言い換えれば世界ランク3位になるのは、普通にハードルが高すぎます。
高すぎてビビります。
YouTubeでは、「大人気YouTuber」や「クソ面白い芸人」や「超大物歌手」などとも、戦わなければなりません。
マジでビビります。
彼らに比べて、技術も実績も知名度もない僕が、同じ土俵で戦うには、単純に分が悪すぎる。
つまり、僕はビビっているのです。
【技術・実績・知名度不足を補うもの】
同じ土俵で戦う勇気もなければ、無理して同じ土俵を選ぶ理由もありません。
そして、技術も実績も知名度もない僕が、誰かに深く好きになってもらうためには、もう人間としての自分を好きになってもらうしかない。
人間性が最も伝わりやすいのは、やはり直接会うことです。
つまり、自分を深く好きになってもらうには、ネットで勝負するよりも、「直接会える場を増やす」方が効果的です。
さらに、誰かのファンになる瞬間って、技術を好きになった瞬間というよりも、
人間としてのその人を好きになった瞬間だったりしませんか?
(急な問いかけ)
ネットで面白いコンテンツを提供したとしても、ほとんどの場合、
「この人、面白いなぁ」
で、終わってしまうでしょう。
「この人の舞台に行ってみよう」
まで発展させることは、かなり難しい。
でも、直接会って、本気の芝居を見て、尚かつその人の活動に対する想いや情熱を知れたら。
技術的には未熟でも、希望を持って、まっすぐ夢に向かっていく姿を見せられたら。
「一回ぐらい行ってみようか」
まで発展することもあるのではないでしょうか。
いまやネットには、面白いものや上手いものは溢れています。
そこだけで勝負するのは、やっぱり分が悪すぎる。
だから、僕は違う土俵で勝負したい。
路上では、直接本気の芝居を見てもらえるし、直接熱量や情熱をぶつけることができます。
それは、スマホ越しに動画を見ることとは、違う体験となるでしょう。
自分が持つ精一杯の技術だけでなく、舞台や芝居に対する気持ちや想い、熱量をプラスで伝えられる。
だから、技術一点勝負で、国内トップの猛者と同じ棚に陳列されてしまうYouTubeとは、違う形で勝負できる。
技術や実績、知名度などの圧倒的に不足している要素以外のものを打ち出すことができる。
そう考えると、直接会うことができる路上よりも効率が良い方法はないんです。
【おわりに】
YouTubeではなく路上で勝負する理由というタイトルで書いてきましたが、実際僕が路上を始めた4年前は、YouTubeはここまで一般的ではありませんでした。
なので、「YouTubeではなく路上で勝負する理由」というより、
「YouTubeに本腰を入れない理由」といった方が近いかもしれません。
その理由を一言でまとめれば、「YouTube、分が悪いんですよね」って話なんですが、もっとシンプルに言えば路上のほうが好きなんですよね。
(圧倒的いまさら感)
これだけYouTubeが流行っているので、いつでもYouTubeに移行できるし、何ならYouTubeにも申し訳程度に動画上げているんですが、本腰を入れているのはやっぱり路上です。
それは、路上をやっているときのほうが、単純に面白いからです。
(最初に言え)
それに加えて、よくよく考えてみると、YouTubeで勝負するのは分が悪すぎるし、集客にも繋がらないだろうし、ハードル高すぎるよね、というのが、僕の意見です。
さらに、僕にとっては路上のほうが面白い。
つまり、今のところ僕にとって、「YouTubeで勝負する理由が一つもない」んです。
路上で活動していると、ビールを置いていない居酒屋のように、「YouTubeやった方がいいんじゃない?」と言われます。
(例えが微妙)
でも、僕にとっては技術的にも、集客的にも、効率的にも、感覚的にも、あらゆる側面からYouTubeはやらないほうがいいんです。
YouTube自体を否定しているわけではありません。
あくまで、僕には合わないということです。
今まで、路上をきっかけにして、延べ80〜90人ほどの人が、舞台に足を運んでくれました。
一つ確実に言えることは、僕がもしYouTubeばかりやっていたら、この人数に来てもらうのに、もっと時間がかかっていたでしょう。
つまり、僕にとっては、YouTubeよりも路上のほうが効率がいいんです。
今後も、ビールを置いていない居酒屋が「ビール置いてないの?」と聞かれるように、「YouTubeやった方がいいんじゃない?」と聞かれ続けたいと思います。
醜く頑張っていきます!
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