俺は路上で生きていく

路上での一人芝居のみで生計を立てる路上役者のブログ

図々しさは誇るべきスキルだ

 

どうも!路上役者亮佑です!

 

最近、図々しさの魅力に取り憑かれています。

 

一般的に「図々しい」というのは敬遠されるものですが、

役者にとって、図々しさは不可欠なんじゃないかなと思うんですよね。

 

図々しさがないとやっていけないほどに。

 

逆に、図々しい人は役者の素質がある。間違いなく。

 

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〜目次〜

 


【エンタメは「図々しく」お金を取らないと成り立たない】

 

エンターテイメントはビジネスです。

 

「娯楽」という価値を提供する代わりに、

「お金」という対価を受け取らなければ成り立ちません。

 

そして忘れることのできない存在が、

そのお金を支払ってくれる「ファン」の存在です。

 


【2:6:2の法則】

 

「2:6:2の法則」というのがあります。

 

本来はビジネス用語で、どんな会社においても社員は、

 

「めっちゃ働く人」が2割

「普通レベルな人」が6割

「全然使えない人」が2割

 

で構成されていて、「めっちゃ働く2割の人」が「会社の利益の8割」を上げている、という話です。

 

僕ら役者にとってのファンという視点でも、

この「2:6:2の法則」は当てはまり、

 

「すげえ応援してくれる人」が2割

「時々観に来てくれる人」が6割

「むしろ俺を嫌ってるヤツ」が2割

 

で構成されていて、「すげえ応援してくれる2割の人」が「自分の役者収入の8割」を占めている、といった具合です。

 

これは金額自体に差はあれど、どんなトップ俳優・トップシンガー・トップアイドルでも、同じ構図です。

 

どんなエンターテイナーも、売り上げの大半は「コアな2割のファン」が生み出している。

 

つまり、かなり乱暴な言い方をすれば、エンタメというのは、

「少数のコアなファンから多額のカネを搾り取る」システムで成り立っていると言えます。

 


【ファンの方にお金を使わせ過ぎて申し訳ない問題】

 

芝居をやり始め、ある程度長く続けていけば、

少しずつファンは付いていくでしょう。

 

しかしエンターテイナーとして、ある程度お金を稼げるようになってくると、一つの重大な問題に直面します。

 

それがこの「ファンの方にお金を使わせ過ぎて申し訳ない問題」です。

 

そして、駆け出し期であればあるほど、

さきほどの「2:6:2の法則」の「コアな2割のファン」なんて数人しかいないので、

「自分は〇〇さんと〇〇さんと〇〇さんにばかり、こんなにお金を頂いていいのだろうか…」と不安になります。

 

そして、

「あんなにお金を払ってくれているのに、自分はそれだけの価値ある芝居をできているのだろうか」

「なんか申し訳ない」「嫌われたらどうしよう」

「前回3回も同じ作品を観に来てくれたから、次も3回観に来てもらえるような良い芝居をしなければ」

 

と、自分で勝手にプレッシャーをかけ、

自分で勝手に押し潰されそうになります。

 

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かくいう僕も、自分の芸で人様からお金を頂くことに慣れていない時期には、

この自分で自分のクビを絞める常習犯でした。

 


【天下の「図々しさ」は、天下のディズニーに学べ】

 

しかし、そんな僕に一筋の光を与えてくれたのは、

エンタメの天下をほしいままにしているディズニーでした。

 

僕はディズニーが大好きです。

 

しかしディズニーは、明らかにグッズを出す前提で映画を作っているし、

映画にハマったファンからは、多額のカネを容赦なく搾取します。

 

ただのぬいぐるみは4000円するし、

そこらへんで買えそうなクッキーは1500円します。

 

 

図々しいです。

 

 

僕はディズニーが大好きです。

 

しかしディズニーは、夢の国と謳っていながら、

1日過ごせば確実に1万円は使わざるを得ません。

 

しかもそれは、中高生であれ、一緒です。

 

夢の国の内側にいたときの気持ちの高まりと、

そこから出てきたときの、財布の中身の寂しさ。

 

 

ギャップがエグいです。

 

 

僕は『トイストーリー3』に出てくるロッツォというキャラクターが大好きです。

 

ロッツォのグッズは、今でも新しいものが出ています。

 

しかし、ロッツォが登場した映画『トイストーリー3』の公開は2010年です。

 

もう9年経っていると言うのに、まだ9年前に公開した映画のグッズで稼ごうとしている。

 

 

やっぱり図々しいです。

 

 

なんならミッキーなんか、最初の登場は1928年で…

 

でも、エンターテイメントにおいてこの図々しさは汚点ではなく、美点です。

 

 

【ディズニーの凄さは提供している価値の高さ】

 

やはり「ただのとんこつ醤油ラーメンが1180円もするなんて図々しくないですか?」

とも言いたくなる。

 

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しかし、何より見逃せない事実は、そこにいる人々は

1180円するラーメンを「喜んで食べている」ということであり、

1500円するクッキーを「喜んで買っている」ということです。

 

同じ芝居をやるとしても、僕がやるのと菅田将暉がやるのとでは価格が違うように、

価格は提供したモノではなく、提供した価値で決まります。

 

同じラーメンでも、価値が高ければ価格は高くなるし、

価格が高くても価値が高ければ、ヒトは買います。

 

結局、ディズニーはラーメンとかクッキーとか単純なモノ自体の価値だけでなく、

その場の雰囲気とか、キャストのホスピタリティとか、単純にカワイイとか、色んな付加価値を与えているから、スゴいです。

 


【ディズニーに学ぶエンタメの真髄】

 

先ほど少し書いた「2:6:2の法則」は、

ディズニーにおいても、当てはまります。

 

「年パス持ってるDヲタ」が2割

「年数回は行く普通の人」が6割

「絶対行かない斜に構えた奴」が2割

 

そして、ディズニーの利益の多くは、

「2割の超コアなファンが生み出している」ということも変わらないでしょう。

 

天下のディズニーだって、

この2割に利益を生み出してもらえなくなれば、立ちいかなくなる。

 

ウォルト・ディズニーにだって、もしかしたら

「少数のお客様に多額の金銭を貢がせて申し訳ない…」という

「ファンの方にお金を使わせ過ぎて申し訳ない問題」に直面した時期があったかもしれません。

 

でもディズニーは、その2割に「たくさん払わせて申し訳ない…」ではなく、

その2割を「もっと楽しませるにはどうしたらいいか」を考えています。

 

だからディズニーは、これからも普通のクッキーを1500円で、

普通のラーメンを1180円で売り続けるでしょう。

 

そして、売れ続けるでしょう。

 

単純なモノではなく、与えられるだけの付加価値をガンガンつけて売りまくる。

 

「図々しさ」は誇るべきスキルであり、エンタメの真髄です。

 

役者なら、「あの人にたくさんお金を払ってもらって申し訳ない」ではなく、

「あの人にもっとお金を払ってもらうためにはどうすればいいか?」と考えていかないといけないですね。

 

僕もいつか、自分のカワイイ写真を箱に貼り付けただけのクッキーを1500円で売りたい。

 

 

図々しさバンザイ!

 

 

早くまたディズニーランドに行きたいです。

 

 

 

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