俺は路上で生きていく

路上での一人芝居のみで生計を立てる路上役者のブログ

7万人に1人に好かれれば、舞台役者で食っていける

 

7万人に1人に好かれれば、舞台役者で食っていける。

 

僕はそう考えて、6年前に路上での活動を始めました。

なぜ、7万人に1人なのかというと…

 

まず、6年前の僕のチケットバック(自分で売ったチケットの枚数に応じてギャラが増えていくシステム)のギャラだと、チケットを150枚売って、ようやく1人の人間が1ヶ月東京で暮らしていける、くらいの月収でした。

 

1回の舞台をやる際は、だいたい2−3週間稽古して、その後1週間本番がある、という感じです。

なので、1回の舞台で少なくとも1ヶ月は潰れます。

 

つまり、どう頑張ったって、舞台は1ヶ月に1回、年間12回が限界です。

 

12ヶ月に12回の舞台に立つのはかなりしんどいですが、まぁそこは気合でなんとかするとして、1回あたり150人×12回=年間延べ1800人というのが、僕が舞台で食っていくために必要な集客数の目安でした。

 

じゃあファンは何人ぐらいいればいいんだろう?

 

ファンが150人いたとして、そのファンが毎月欠かさず舞台に来てくれれば、僕は食いっぱぐれない。

でも、150人のうち全員が全員毎回来てくれるなんて、さすがに夢物語すぎます。

 

そこで仮に、3回に1回舞台に来てくれる人をファンと呼ぶとすると、必要なファンの数は、150人×3で450人。

 

少し多めにとって、500人としておきましょう。

じゃあ、500人の人にファンになってもらうためには、どうすればいいか?

 

まず、自分を知ってもらう必要がある。

自分のことを知らなければ、自分のファンになるだとか、舞台に行くだとかという選択肢はそもそも生まれません。

 

幸い、東京は世界でも珍しいほど人口が多い都市です。

さらに、日常的に神奈川や千葉、埼玉から人が来る。

 

そこでザックリ東京・神奈川・千葉・埼玉の人口を調べてみると、合計が3600万人でした。

 

3600万人のうちの500人。

つまり、約7万人に1人。

 

69999人に嫌われても、そのうちの1人に好かれれば、俺は舞台役者として食っていけるんだな…

 

7万人に1人。

69999人に嫌われても、そのうちの1人に好かれればいい。

 

だったら、誰でも出来るんじゃね?

 

この考えがベースとなって、僕は路上芝居を始めました。

 

 

でもこの考えは、「一度ファンになってくれたら、それ以降はずっと僕のファンでいてくれて、3ヶ月に1回は僕の舞台に来てくれる」という前提になっていて、新規を増やすことと同じくらい重要で難しいリピート率の問題が抜け落ちてたり、とにかくガバガバです。

 

ガバガバすぎて、いま「あれ、こんなはずじゃなかったんだけど…」ってなってます。笑

 

500人のファンを作ること以外にも、リピート率を高めないといけないし、演技力ももっと高めないといけないし、課題は山積みです。

 

でも、小劇場というのは、とにかく内向きな業界です。

お客さんの大半は、出演者の友達や知り合い、家族や過去の共演者といった身内です。

 

6年前、初めて舞台に立ったとき、自分の力だと小劇場に立ち続けるだけでは100%ファンは増やせない、と思いました。

 

僕のお客さんが僕の友達や知り合いで、僕を観に来てくれているということは、他の出演者のお客さんはその人の友達や知り合いで、その人を観に来ているということです。

 

他の人を観に来ているお客さんの心を鷲掴みにし、自分の次の舞台のお客さんにすることは、めちゃくちゃハードルが高い。

 

だから、僕は劇場だけではなく、外にも出なきゃいけないと思い、まさに文字通り外である路上を選びました。

 

6年も経てば、価値観だったり考え方だったりが少しずつ変わってくるもんですが、やっぱり舞台は素晴らしいです。

 

いい舞台を観に行く度に、「舞台役者の人って凄いな」って他人事のように思いますし、同時に「僕もあんな凄い人になりたいな」と強く思います。

 

自分の課題に向き合って力つけて、お芝居を仕事にして、凄い役者になるために、人生賭けて試行錯誤しながら、もがきにもがきまくっていきたいと思います!

7万人に1人に好かれれば、舞台役者で食っていける

 

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram

 

聞かれて一番悔しい質問「役者目指してるんですか?」〜2022.12.15@蒲田〜

 

「役者目指してるんですか?」

 

路上やってて、一番悔しい質問かもしれない。

 

この質問は、色んな状況で聞かれてきた。

芝居をやる前、芝居をやって反応がよかった後、悪かった後。

 

今日の蒲田は、3つ目のパターン。

一番悔しいパターン。

 

芝居をやって、反応があまり良くなく、一瞬空気が止まったような雰囲気になった後に聞かれた。

 

もしかしたら、そこまで深い意味はないかもしれない。

 

でも僕には、その状況での「役者目指してるんですか?」は、「私にとってあなたは役者ではなく、”役者を目指している一般人”なのですが、いまあなたは役者を目指してるんですか?」

に聞こえた。

 

僕は、誰かにとっては役者だけど、誰かにとってはまだ役者じゃない。

 

芝居をやっている途中から、こっちを観ていないことがわかった。

1秒で心掴めなかった自分の力不足。

 

この質問をされたのは、この日の2組目で、1組目は全く違う反応だった。

 

「演技が想像以上にガチすぎてびっくりしました!めちゃくちゃ面白かったです!!」

 

これは、同じ演目を観た1組目の反応。

同じ演目でも、反応は天と地ほど違う。

 

今日は、寒いだけじゃなくて、風も強い。

風が強いと体感温度がめちゃくちゃ下がるので、寒さが一層カラダに沁みる。

 

皆んな、肩をすぼめて身を小さくして、足早に帰っている。

おまけに昨日は最後の2時間で1人にも観てもらってない。

 

厳しい日になるというのは、容易に想像できたし、少しナーバスになっていた。

 

そんな中1人で立ち止まってくれたお姉さんが、「めちゃくちゃ面白かったです!!」と絶賛してくれた。

 

この方に出会えただけでも、1時間半かけて蒲田に来た甲斐があったなぁと感慨に浸っていた。

おまけにその後は、「寒いでしょ?頑張ってね」と言って、ホットドリンクを2本手渡してくれたお兄さんに出会った。

差し入れで頂いたドリンク。寒い日の温かい差し入れは、本当に心が温かくなる感じがする。

寒い日の温かい差し入れは、本当に心が温かくなる感じがする。

 

家を出た後に、風が強いからアーケード商店街などの、風がしのげる場所に変更しようかとも思ったけど、蒲田にしてよかった。

 

そんなことを思っていた矢先の「役者目指してるんですか?」

 

厳しい現実、そして自分の力不足をまざまざと突き付けられましたが、、、

 

いやー、やっぱり路上はいいですね!

一筋縄にはいかせてくれない。

 

厳しい言葉が自分を奮い立たせてくれるし、しんどい経験が自分を成長させてくれる。

 

笑われたり、バカにされたりすることは日常茶飯事。

今日も、遠目で見て、こっちを指差しながら甲高い声で笑ってるカップルが何組かいた。

 

でも、路上なんて、笑われるぐらいがちょうどいい。

普通のことしててもしょうがない。

 

多くの人からバカにされ、笑われるぐらいじゃないとのし上がっていけない。

 

でも、厳しいことだけじゃなくて、ちゃんと温かい出会いもあれば、嬉しい感想を聞くこともできる。

 

厳しい言葉に卑屈になりすぎず、嬉しい感想に浮かれすぎることなくやっていきたいですね!!

 

今日は、このあと19時から北朝霞駅で。

酸いも甘いも楽しみながら、いまの自分にできることを積み重ねたいと思います!

 

聞かれて一番悔しい質問「役者目指してるんですか?」の写真

 

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram

 

「コイツの舞台に行きたい!」と思ってもらえるキッカケって、何だろう?〜2022.12.13@浦和〜

 

「凄かったです!一瞬で表情とか空気感とかが変わって、役者さんなんだなって思いました!」

 

お酒を片手に立ち止まってくれた大学生カップルの女性の方が言ってくれた。

 

「誰にでも出すわけじゃないですからね」

 

男性の方は、そう言いながらお気持ちをくださった。

 

 

12月13日、浦和。

幸先のいいスタート。

 

褒められて、絶賛されて、褒められて。

 

浮かれている。

めちゃくちゃ浮かれている。

 

演じたのは、『大変、申し訳ございませんでした』という喜びをテーマにしたひとり芝居。

もうかれこれ、5年くらいやっている王道ネタの一つ。

 

つい先日まで、何年もずっと同じ演目をやり続けていることに「これでいいのか?」と悩んでいた。

 

でも、たまたま芸人さんか誰かの記事で、「同じネタをやり続けて飽きているのは、お客さんではなく自分。自分が飽きているのをお客さんだと思い込んでいるだけ」みたいなことが書かれていて、間違いないなと思った。

 

だから、新鮮な気持ちを持って、自分がやってきたこと、やってきた演目に自信を持ってやったら、こんな嬉しい感想が返ってきて…

 

めちゃくちゃ浮かれている。

 

「大学生なので…」と言いながら渡してくださったお気持ち。

本当にありがたい。

 

こういう方のお気持ちで、自分は6年やってこれたんだということを再認識した。

忘れちゃいけない。

 

めちゃくちゃ浮かれているが、ふと我に返る。

 

最近、路上で芝居に満足してくれても、SNSのフォローにあまり繋がってないことを思い出した。

 

僕は、「芝居の上達」と「舞台に来てくれるお客さんを増やす」ことを目的に路上に立っているので、路上で出会った人に舞台のお知らせをするためにも、SNSで繋がっておくことは、めちゃくちゃ重要。

 

ただ最近、路上→SNSの繋がりが少し弱くなってる気がする。

気がする。気のせいであってほしいけど。

 

舞台に来てもらうことは、本当に難しい。

路上でいくら楽しんでもらえたとしても、舞台に来てもらうことは、また別問題。

 

そのとき心が動いたとしても、また何ヶ月後かにある舞台に、貴重な時間とお金を費やしてわざわざ来てくださる方は、決して多くない。

 

「コイツの舞台に行きたい!」と思ってもらえるキッカケって、何だろう?

 

舞台に来てもらうには、かなり深いレベルで心を動かす必要があると思ってるだけど、そもそも心が動くキッカケは、人によってかなり違う。

 

それでも、今まで200人以上の方が、路上で僕と出会って舞台に来てくださったけど、たぶんその理由はさまざまだ。

 

「路上での芝居が面白かったから」という人もいれば、「路上芝居はつまんなかったけど、舞台が好きだから」、「路上で活動してる心意気を買ったから」などなど、おそらく本当にさまざま。

 

考えてみれば、誰かのファンになる瞬間って、必ずしも技術は関係なかったりする。

 

歌手のファンになる理由が、「歌の上手さ」しかなかったら、歌の上手い順にファンが多いはずだけど、そんなことはない。

 

野球選手のファンになる理由が、「野球の上手さ」だったら、世界の野球ファンは全員大谷翔平のファンになるけど、そんなことはない。

 

僕は、高校生のとき「可愛いから」という理由で大塚愛が好きだった。

 

歌手のファンになる理由としては、不純なのか、純粋なのか。

いや、それはどっちでもいい。

 

おっと、話が逸れてきている。

 

 

結局、この問いにたぶん正解なんてなくて、もうとにかく頑張るしかない。

頑張れ。

 

これだけ書いてきて、最後のまとめがまさかの根性論になってしまい、自分でもびっくりしている。

 

でも本当に、僕のことを「応援したい!」「この人の舞台に行ってみたい!」と思ってくれたその正解の理由は、人それぞれだと思う。

 

そして、正解は人それぞれ違うからこそ、僕は、自分の”正解”を押し通していくしかないと思う。

 

僕はいま、路上で地道にドブ板営業を続けることが一番の正解だと思っているし、やっている内容も、「俺はこういうテイストのひとり芝居が好きだ」という今の自分が思う正解を押し出している。

 

観てくれる人によっては、全く正解にかすらないし、そもそも未熟だから意図が伝わりきらないこともある。

 

でも、頑張るしかない。

人間は、時が経つにつれて少しずつ変わっていくように、正解も変わっていく。

 

その日その日の自分の正解を押し付けていくしかない。

そして、その正解を少しでも多くの人に伝えられるように、腕を磨くしかない。

 

頑張る!

 

今日の路上は、19時から蒲田駅

今日も日中は正解を磨いて、夜は少し磨いた正解を押し付けに行きたいと思います!

 

大学生カップルとの最高の出会いが会った後、2時間一人にも観てもらえず、自撮りさえうまくいかない路上役者、の写真

大学生カップルとの最高の出会い後、2時間で誰一人として観てもらえず、
自撮りさえうまくいかない路上役者

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram

 

「役者として存在していてよかった」と思う瞬間〜2022.12.11@大宮〜

 

「面白かったです!元気出ました!」

 

と、素敵な笑顔で言ってくれたのは、受験を間近に控える高校三年生のお姉さん。

 

受験が迫り、友達から笑顔がなくなってきて、心配だし、何か声をかけてあげたいけど、何を言っていいかわからず悩んでいる、とのこと。

 

「元気をもらえたらと思って」と、路上役者に声をかけたらしい。

 

今日は模試の帰りで、迎えの車を待っている時間で観てくれた。

女の子が1人で観るなんて勇気いるだろうに。

 

にしても、優しいなぁ。

俺が同じ受験生のときなんか、自分のことしか考えてなかった。

いや、今もそうかもしれない。

 

その歳で、しかもその時期に周りが見える、自分じゃなくて友達の心配をできるなんて、33歳の俺より人間ができてる。

 

芝居を観終わった後、本当に素敵な笑顔で感想を言ってくれて、心から嬉しかった。

自分が役者としてここに存在している意味を与えてもらったような気がして、本当に嬉しかった。

 

嬉しすぎて、その後10分ほど感慨に浸っていた。

感慨に浸っている表情を撮ろうとしたら、眠そうな顔になった路上役者の写真

感慨に浸っている表情を撮ろうとしたら、眠そうな顔になった路上役者

 


12月11日、大宮。雨。

冷たい雨が降りしきる。

 

曇り予報だったので川口でやる予定だったけど、予想外の雨で急遽大宮に変更した。

 

その日の夜にいく駅のイメージを描きながら、日中を過ごしているので、急の変更はあまり得意じゃない。

 

でも、得てしてこういう日は、場所を変えなかったら起こり得なかった、こういう素敵な出会いがあるものだ。

 

ありがとう、雨!

 

ーーーーーーーーー

 

そのお姉さんと別れた後は、また1時間の無観客タイム。

 

1時間で73回ほど「今日はもう帰ろうか」と思ったが、粘った甲斐あって若い男性2人組が止まってくれた。

 

「ひとり芝居、いいっすね!観ますよ!」

と言って、座りながらじっくり観てくれた。

 

イケイケ系な感じの若者だったので、ギリギリ平成世代、平成元年生まれの路上役者おじさんは、若者の勢いに負けじと気合の入ったひとり芝居『マコ、やめとけ。早まるな』を全力で披露。

 

。。。。。。

 

反応は…

 

「めちゃくちゃ迫真で面白かった!」

と、座って見ていて、終わると同時に二人とも立ち上がって拍手してくれた。

 

路上芝居、6年やって初めてのスタンディングオベーション

 

1人の方は、「泣きそうになっちゃいました」と、目にうっすら涙を浮かべながら言ってくれた。

 

路上役者おじさんは、もう嬉しいという言葉を通り過ぎた、自分の語彙力では到底表現できない感情になった。

そのお兄さんたちとのシンプルにいい写真!

そのお兄さんたちと。シンプルにめちゃくちゃいい写真!

 

今日は3時間で3組。

2組目が受験生のお姉さんで、3組目が上のお兄さん方。

 

1組目は、20代の声優志望のお姉さん二人組で、めっちゃウケた。

あの瞬間を撮影して、僕のプロモーションビデオを作れば、「コイツ、まぁまぁ凄いやつなんだな」って勘違いさせられるかもってくらい反応良かった。

 

「写真撮りましょう!」と言ってくれて、真ん中に入れてもらう。

これぞ、まさに両手に花。

 

しかし、勇気が出ず、その写真僕にも下さいとは言えなかった。

チキン路上役者。

 

僕の鼻の下が伸びている写真は、路上役者の海馬というアルバムにしまっておこう。

 

観た後に、「私、(投げ銭)払いたいです」と、言ってくれたのも本当に嬉しかった。

 

自分の好きなことが、好きな表現が、仕事になった瞬間というか。

自分という存在に、価値を感じてもらえたという瞬間。

 

こういう瞬間を少しでも増やしていきたい。

そのための努力を、毎日積み重ねていきたいと思います!

 

「役者として存在していてよかった」と思う瞬間

 

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram

 

自分に自信が持てず、何か”凄い事”をしなきゃいけないと思っていたあの日。〜2022.12.10@蕨〜

 

25歳の時。

お金を1円も持たず、携帯も持たず、着の身着のままヒッチハイクで東京から屋久島を目指すという旅に出た。

 

何か、何でもいいから”凄い事”を自分の力で成し遂げてみたかった。

 

俳優として生活できるようになりたい。

技術もなければ、実績もない、ファンもいなければ、知名度もない自分が、俳優の世界で生きていくためには、何か人と違うことをしなければいけない。

 

だから、路上で芝居をしてみた。

 

金銭的な問題や時間的な問題によって、なかなか舞台には立てないけど、路上ならいつでもできる。

少しずつ場数を踏んでいけば、技術も上がっていけば、ファンも増えていくかもしれない。

 

そんな想いだった。

 

 

僕は、つまらないプライドを持っている人間だと思う。

バカにされると人より過剰に反応したり、過剰に落ち込んだりする性格だ。

 

でも、路上では”バカにしたい人たち”の格好の餌食になる。

 

「早くやれよ!」と言って譜面台を投げ飛ばされたこともあれば、指を差され「こんなんになったら終わりだな」と言われたこともある。

 

その度に、子どものようにメソメソと泣いたり、自信をなくしたり、落ち込んだりした。

 

「あんなヤツらに、俺の何が分かんだよ」

 

もう一度、気持ちを奮い立たせて路上に立つものの、またああいうことが起きるんじゃないか?という不安はなくならなかった。

 

そのうち、横目で睨むように見られたり、「ひとり芝居だって(笑)」と言われたり、こっちの方向を見てニヤけてたり、自分のことをバカにしてるのかどうかなんて実際は分からない人たちにも、過剰に反応するようになっていた。

 

でも、歯食いしばって続けて、観てくれた人全員の心を動かすような、凄い役者になって、力をつけて、人気が出たりすれば、こんな想いしなくてよくなるはず。

 

あの時は、そう思ってた。

 

そんな路上を6年やってきた。

7年かもしれない。よく覚えてない。

 

でも昨日、なぜだか分からないけど、ようやく「別に”凄い事”やらなくてもいいんだ、別に誰かにバカにされるようなことをやっていても、自分のやっていることに自信を持っていていいんだって思えた。

 

僕は、嫌われることをすごく恐れるタイプの人間。

 

知らず知らずのうちに、「皆んなに好かれなきゃいけない」「観てくれた人全員に評価されたい」と思っていたのかもしれない。

 

路上には、本当に色んな人がいる。

 

「なんでそんなこと言うの?」という自分からすると悪魔のような人もいれば、「なんでそんなこと言ってくれるの?」という天使のような人もいる。

 

きっとこれからも色んな出会いがあって、バカにされることも、見下されることもあると思う。

 

でも、自分のやっていることを、少なくとも自分だけは信じていきたいと思う。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

そんなことを考えた昨日の蕨駅での路上。

 

前振りが長くなりすぎたので、昨日のめちゃくちゃ嬉しかった出会いを1つだけ書いて終わりにしよう思います!

 

始めてから1時間ほど経ち、自ら近づいてきてくれたお姉さんが。

聞くと、ブログを読んで、僕の存在を知って来てくださったらしい。

 

今年の夏あたりから、藤原竜也主演の舞台『ハリーポッター』を観て、演劇にハマり始めた、とのこと。藤原竜也スゴい!)

 

ブログがきっかけなんて、めちゃくちゃ嬉しいですね!

 

めちゃくちゃたくさんの人が読むようなブログではないし、SNSのフォロワーが多いわけでもないけど、でもやっぱり、そんなことは発信をしない理由にはならないんだと、フォロワーや読者が少ないから発信しないなんて言ってたら、一生自分のことなんか知ってもらえない。

 

芝居はもちろんだけど、発信もちゃんとサボっちゃいけないなと思わせてくれた出会いでした!

 

これからも、自分のことを知ってもらうために発信しながら、観てくれた人の心を深く動かせるように芝居も頑張っていきたいと思います!

 

6年前の人生で2度目くらいの路上芝居(当時は路上コント)の写真

6年前。人生で2度目くらいの路上芝居(当時は路上コント)

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram

 

0円より、課題を大きく感じる1万円〜2022.12.9@久喜〜

 

最近は、一日通して0組だったり、2時間全く観てもらえなかった末に、ようやく観てもらえたと思ったら酷評だったりと、なかなか波が大きい日々。

 

昨日は、久しぶりに1万円の投げ銭をいただいた。

 

数年前、一日あたり5−6時間x週6日路上やってた頃は、1ヶ月に1回くらいは万札を頂くことがあった。

 

でも、今回の形はかなりレアで、一万円は先払いだった。

 

女性2人組に芝居を観てもらった後に、少し雑談していたら、ご夫婦のような雰囲気の男女2人組が、「なにやってるんですか?」と、自ら近づいてきてくれた。

 

「ひとり芝居やってるんです」と言うと、男性の方が「いま気分がいいから見せてよ!お金は先に払うからさ!」

 

と言って、サクッと一万円を入れてくれた。

 

でも投げ銭なので、僕は「ダメだったら、没収してくださいね!」と言いつつ芝居をした。

 

直感でチョイスした、渾身の「サイレントひとり芝居」を披露!

 

反応は、、、

 

 

 

イマイチだった。

 

そこまで悪くもないが、そんなに良くもないといった感じ。

 

めちゃくちゃ悔しかった。

お金は没収されることはなかったけど、僕としては、没収されたほうがまだ気持ち的に楽だったかもしれない。

 

今日は6組やったけど、この組が最後だった。

 

久しぶりに来てくださった方がいたり、すごくいい日だったけど、悔しさが大きく残った。

 

先日のように1組にも観てもらえない、0組0円のときは、

 

「寒かったから」

「人通りが少なかったから」

 

こんな感じで、言い訳が効く。

 

でも、お金をいただいた上で満足させられなかったら、何の言い訳できない。

観てくれた方は、楽しむ心の準備ができていたのに、期待を超えられなかった。

 

明らかな力不足。

 

帰りの電車では、先日の戸田での0円の日より、今日の1万円のほうが落ち込んで帰った。

 

いつかまた、あのご夫婦やああいう方に出会えたときに、期待を超えられる役者になろう。

 

 

ーーーーーー

 

 

12月9日、初めての久喜駅

 

到着後、路上ができそうな場所を探しに東口と西口の両方に出てみる。

 

初めての駅では恒例の迷える子羊タイムがスタート。

 

あっちのほうがいいかなぁ…こっちのほうがいいかなぁ…

うわ、ここには交番あるのか。

こはちょっと道が狭いなぁ、でもあっちは広すぎるし、あそこは人通りが少ないけど、向こうは多すぎる…ゴモゴモゴモゴモ…

 

そして、これも恒例の開き直りタイム。

 

いやもう、完璧な場所なんて存在しない。

完璧な道だったとしても、見てもらえるかなんてわからないし、ダメだと思っても観てもらえることもある。

とりあえず、もういい。ここでやろう。

 

こんな感じでスタートした10分後。

 

早速1組。

地元の学校のジャージを着た中学生3人組。

 

イマドキの若者らしく、全員スマホで僕の動画を撮っていた。

 

気合いを入れて、渾身のひとり芝居を披露。

反応は、、、

 

 

イマイチ。

 

。。。

 

あの動画、どんな風に使われるか不安だな。。笑

 

2組目は、その後10分後くらい。

 

一度通り過ぎるも、気になってわざわざ戻って来てくれたお兄さん。

 

1発目が良くなかったので、ここが勝負に出る『マコ、やめとけ、早まるな』をチョイス。

 

「うわぁ、いいね!楽しかった!!」

と、言ってくれた。

 

嬉しいな。

 

同じ演目をやっても、人によって全然反応が違う。

そんなことを肌で感じられるのも路上ならではの魅力だと思う。

 

さらに、10分後。

20代前半の男性3人組。

 

「お兄さん、なにやってんの?」

「え?ひとり芝居wwwなにそれwwwこんなことして、メリットあんの?」

 

酔っ払っていて、言葉遣いも高圧的。

 

正直、イラっとした。

 

「いや、メリット感じてなかったらやらないっすよ」

 

失礼だなと思った人には、つい失礼な返答になってしまう。

 

3人組のうち、高圧的だなと思ったのは1人だけで、他の2人はあまり興味なしという感じだった。

 

でも、その高圧的な人が乗り気だったので、内心めんどくせぇなと思ってしまったが、そんなにぞんざいに扱うわけにもいかないので、とりあえず会話をした。

 

会話をしているうちに、なんとなく打ち解けてきたので、芝居をした。

 

すると、めちゃくちゃ楽しんでくれてt、最終的には芝居見てくれて、めちゃくちゃ仲良くなった。(笑)

 

芝居観てもらって、本当によかった。

 

昔だったら、「いや、もうそんな感じならいいっすよ」とか適当なこと言って、芝居してなかったかもしれない。

 

聞いてみると、歳は10個以上も下だった。

 

でも、年下の人に上から来られるとか、そうゆうつまんないプライドで人を拒むとダサさいな、俺は6年路上やってきて、本当に色んな人に出会ってきて、それでもまだなお俺は見た目とか年齢とかで人を判断してるんだなって思うと、本当ダサイなって痛感させられた。

 

自分が本当に大切にしている人や物を守るためだったら、つまんないプライドなんかすぐ捨てられる人間でありたいなと強く思いました。

 

人間的にも成長できるように頑張らないと!

そう思わせてくれた、お兄さん3人組にめちゃくちゃ感謝です!

 

その後、僕を久喜まで呼んでくださった方に再会。

 

舞台は何度も観て頂いていたが、コロナ禍で面会禁止なので、直接顔を合わせて会話するのは、すごく久しぶり。

 

今まで、おそらく僕の路上芝居を一番多く観てくださっている方。

本当にありがたい。心の底からありがたい。

 

こうやって、何度も何度もわざわざ足運んでくださる方のために、ちゃんと新しい演目作らないとなぁ。。。

 

反省。

 

でも、久しぶりに会って話せて、本当によかった。

こういう方をちゃんと一番大切にしていきたい。

「あ、ブログ用になんか写真撮らなきゃ」という思いで撮った、とくになんの感情も伝わってこない路上役者の写真

「あ、ブログ用になんか写真撮らなきゃ」という思いで撮った
とくになんの感情もない路上役者

 

今日は、こんな感じ!

久喜行ったのは、一昨日だけど!

今日も読んでくださってありがとうございました!

 

0円より、課題を大きく感じる1万円〜2022.12.9@久喜〜

 

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram

 

まだまだ自分は、与えられてばかり。〜2022.12.8@赤坂見附〜

 

12月8日。初めての赤坂見附

 

ここ2日間、2時間やって誰にも観てもらえなかったり、1時間半やってようやく観てもらえたと思ったら、楽しませられなかったりと、かなり苦戦気味。。

そういうときは、やっぱりなかなか良いイメージは湧いてこない。

 

そんな中のスタート。

でも、やるしかないからね。

 

。。。

 

15分経過。

0組。

 

今日も厳しいかもしれない。

 

観てもらえる手応えがなかったので、道の左端でやっていたのを右端に変えた。

少し広めの歩道で、右端のほうが人が多く通ってた。

 

声をかけるときは、なるべく至近距離でやりたい。

そうじゃないと、声も表情も気持ちも届きにくく、観てもらいづらくなる気がしている。

 

5分後。

 

止まってくれた!

 

1組のご夫婦。

聞くと、なんとこの日が結婚記念日だそう!

 

そんなおめでたい日には、特別な日にしかやらないとっておきの一人芝居を。

と思ったけど、そんなネタはなかった。

 

とにかく観てもらえて嬉しかったので、その嬉しさと幸せを感じながら演じた。

 

「いいねえ!!」

 

と言っていただけた。

多大なお気持ちもいただいた。

 

嬉しいですねえ!!

 

。。。

 

その後、すぐに2組目。

一人の男性が止まってくれた。

 

とにかく、こんなに順調に観てもらえるのが久しぶりなので、嬉しさ満点で演じると、しっかりめに拍手してくださった。

 

「今日は、赤坂見附に来てくれてありがとうございます」

なんて言ってくれた。

 

嬉しすぎる。

これはお世辞かもしれないけど、褒め言葉をお世辞と思ってしまうと、もうやっている意味が分かんなくなっちゃうなと思ったので、ありがたく受け止めることにした。

 

嬉しいな。

 

今日は開始40分でもうめちゃくちゃ充実してる。

 

こないだは2時間やっても、手応え0だったのに。

本当に、日によって全然違う。

 

赤坂見附は、オフィス街。

見渡す限り、立派な高層ビルがたくさん立っている。

 

スーツ姿の方がほとんどで、帰りの電車に乗るためか、ほとんどの人が足早に駅に向かっている。

 

一昨日の南浦和と比べると、歩くスピードは変わらないし、気温も大して変わらないし、人通りもほぼ一緒。

 

一昨日が厳しくて、今日は結果が出ることが謎すぎるな。。

 

その後すぐに3組目も止まってくれた。

一人の女性。

 

この女性、僕が所属する劇団ノーティーボーイズのファンの方で、11月に中野坂上でやった舞台『CAFÉ de 金剛』も観に来てくださっていた。

 

舞台で僕のことを知って、いつか観てみたいと思っていた、とのこと。

 

こういうのは、めちゃくちゃ嬉しい。

めちゃくちゃ。

一つのサヤに5粒入ってる枝豆を見つけたときくらい嬉しい。

 

彼女はハイブリッドな表現者の方で、役者や芸人、脚本や演出、コスプレイヤーなどもしているらしい。

 

twitter.com

 

芝居を観てもらった後に、僕のチラシを渡すと、「私もあるんです」と、チラシをくれた。

 

自己紹介と自分を知ってもらい、自分の作品を観てもらうための工夫がされたチラシで、その貪欲さにとても感銘を受けた。

 

貪欲に前に進もうとしている人、本当好きだな。

生き方がパワフルだから、身体から溢れ出るパワーのおこぼれを頂戴できる感じがして。

 

ため息ついてる人と一緒の空間にいると、なんか自分まで落ち込んでくるように、良くも悪くも、やっぱり人は人の影響を受けているんですね。

 

小川恵夢(メギー)さんと浮かれる路上役者の写真

小川恵夢(メギー)さんと浮かれる路上役者

 

僕も、路上でこんなことをやっていると、わりかし「いつも元気もらってます」的なことを言われることがあるんですが、本当に僕はこのメギーさんのような方にもらってばかりです。

 

なんとか、色んなものを振り絞って路上始めて、路上で知り合った方だったり、舞台で知ったという方だったりが来てくれて、それで気持ちが前向きになったことが数え切れないくらいある。

 

最近でこそ少しばかり慣れてきたけど、まだまだ一歩が踏み出せず、なかなか路上を始める勇気が出ない日もある。

 

そんなときに思い浮かぶのは、路上で出会って、ずっと応援してくれてる方の顔で。

 

どうしてもいいイメージが湧かない日でも、

 

「でも、あの人はこんな自分を認めてくれた」

「でも、あの人はこんな自分を応援してくれてる」

 

そうやって、応援してくれてる方の顔を思い浮かべることで、気持ちが奮い立ったことが数え切れないくらいある。

 

まだまだ自分は、色んなものを与えられてばかり。

 

少しだけでも、役者として、人間として、ポジティブなものを与える側の人間になれるように、努力していきたい思います!

 

今日も、こんな長文を読んでくださった方、ありがとうございました!

 

もし、あなたが読んだよ!ってコメントとかSNSで言ってくれたら、間違いなく今日の僕は、あなたの顔を思い浮かべながら路上に立つことでしょう!

 

まだまだ自分は、与えられてばかり。

 

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram