前情報なしにワールドカップを観たいと思い、全てのSNSやニュースサイトを完全シャットアウトしてたのに、21時頃スマホでサッカーを見ながら目の前を通り過ぎた人の「うわ!まじかよ!」という大きめの独り言で全てを察してしまった路上役者亮佑です!
昨日、11月27日、初めての西武池袋線・富士見台駅。
ここ数日は、川口・北浦和と初めての場所が続き、今日も初めて。
富士見台が最寄りの劇場で芝居を観る予定があったので、そのまま富士見台でやりました。
人通りもちょうど良く、道幅も僕好み。
初めての場所は、本当に降りてみないと何も分からないので不安を抱きながらだったけど、なんとか出来そうだ。
いつも通り、多少のビビリが入りながらも、邪念をどうにか払いのけてスタート。
こう毎日のようにビビりビビり書いてると、余程のビビりだと思われてるだろうけど、その通りです。
小学生の頃は、みんなの前で何かの発表をするだけでも泣いちゃうぐらい、人前が苦手なやつでした。
でもいまは、(たぶん)少しは克服した。
ビビるのはいつも始める前だけで、始めてしまえばただ一生懸命やるだけなので、ビビるとか不安はなくなる。
そんな気持ちを抱いている余裕もないという感じ。
人通りも道幅もいい感じなので、声がかけやすい。
15分経過。0組。
30分経過。
1時間経過。0組。
昨日の北浦和では、ボロクソにダメ出しされたけど、開始10分で2組に観てもらえたのに、今日は1時間で0。
やりやすいと思ったのに、思わぬ苦戦。
おっと、早くも挫けそうになっている。
0組の何がキツイかって信じられなくなることだ。
995の人には観てもらえないので、毎日ダメ元精神でスタートするものの、さすがに1時間も0だと、「ここじゃ誰も観てくれないんじゃね?」と思ってしまう。
そして、信じられなくなると、声かけが雑になってくる。
「どうせ、あなたも観てくれないんでしょ?」
というような不貞腐れたような気持ちが芽生えてしまう。
いつも1%の人に立ち止まってもらえればそれでいいと思ってるけど、その1%が信じられなくなってくる。
そうすると、自分でやってても楽しくないし、そんな不貞腐れたやつが人の心を動かせるわけないので、だいたい場所を変える。
1時間10分ほど経って、
「2時間やってダメだったら、場所を変えよう」と決めた。
さらに、10分経過。
…キタ!
ようやく1組目だ。
6歳の男の子とその両親。
自転車に乗っていて、一回通り過ぎちゃったけど、わざわざ戻ってきてくれた。
小さな子でもわかる『冷たいの語源』というウンチクひとり芝居を披露。
ご両親は上々な反応だったが、お子さんはたぶんそこまで…というような感じだった。
お父さんが、「こういう風に見せてもらったら、お金を渡すんだよ。いくら渡す?」と聞いている。
男の子が選んだのは、10円。
「この子、”10”が好きなんです。家では、10円貯金してるし、何か数字を選ぶときはいつも10を選ぶんです」
本当は、自分が大好きな10円もらって、貯金したいだろうに。
嬉しいな。
とりあえず、今日の1発目が出て、ホッとした。とともに、ホッコリした。
その30分後、次の方がご来場。
「もう少し葛藤が見たかった。でも頑張れよ!」
と、1000円をくださった。
芝居自体を評価してはいないけど、応援でくださるパターン。
時々こういうこともある。
素直に喜べないけど、お気持ち身に沁みます。
努力して成長して、また会えたときに芝居で返します。
その後、珍しいことが2つ続いた。
1つ目。
1人の40代ぐらいのお姉さんが、僕の前を通り過ぎたすぐ後、振り返り
「え?芝居してんの?」
聞くと、このお姉さんは演劇一家に生まれ、何かと演劇に縁があるらしい。
軽く自己紹介して、チラシだけ渡しお別れした。
しかし、その数分後。
お姉さんが戻ってきて、「はい、これ」と僕に何かを渡す。
見ると、1000円札が2枚。
「さっき話聞かせてもらったからさ」
話と言っても、名前いって、ここでどんなことしてるかを説明したぐらいで、とても価値があるものじゃないし、ものの2−3分だ。
絵に描いたように戸惑う僕を尻目に、颯爽とお姉さんは去っていった。
路上をやっていると、こういうことも時々ある。
ちなみに、僕が路上で初めて1万円をもらったときは、
「娘が大の演劇好きで、就職せず演劇の道に行きたいと言っているが、俺にはその魅力が分からないから教えてくれ」
というお父さんに、僕が僕の思う演劇の魅力をただベラベラ15分話したあとに頂いた。
そんなことを思い出していると、30代後半ぐらいであろうお兄さんが通りがかる。
2つ目の不思議な出会い。
「何やってんの?」
「ひとり芝居やってるんですよ」
「へー、そうなんだ。俺は、前に東映東京製作所にいたよ。東映。そうだよね。そういう芝居をやってるやつじゃなきゃだめだよ、いまは。分かるだろ?君なら。今の奴らには色がない。分かるだろ?お前なら。あ、いま困ったろ?俺は目でわかる。君はダメだな、目でわかる。本物じゃない。」
去っていった。
ちなみに、めちゃくちゃ小声で、早口。独特の口調。
文章で書くと、だいぶ後半に「困ったろ?」と聞かれたが、僕は、一言目の「何やってんの?」からだいぶ困ってた。
戻ってきた。
150円くれた。
。。。
「今の奴らには色がない。分かるだろ?君なら。」
。。。
「じゃあな。頑張れよ。」
去っていった。
色々戸惑ったけど、本物になれるように頑張ります。
本当に、色んな人がいますね〜。
その後、30分ぐらい0組が続いたが、6年ほど前に路上で出会い、僕の舞台にも何度も足を運んでくださっている方が、家が近くということで来てくださった。
コロナ禍の小劇場では劇場からの要請により、面会が禁止されているので、直接会話するのは、めちゃくちゃ久しぶりの貴重な機会。
その後直後、たまたま僕が何度か仕事した制作さんの友人という方が声をかけてくれて、芝居観てもらったり、話したり良き時間を過ごしましたとさ。
1時間0組スタートにしては。
めでたしめでたし。
今日も初めての場所、大宮駅!!
今から!!
いってきます!!!
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