俺は路上で生きていく

路上での一人芝居のみで生計を立てる路上役者のブログ

悪いイメージを払拭するには、いい思い出で上書きするしかない〜路上役者の路上にっき〜2022.12.4@西川口

 

昨日の戸田は0組だった。

寒さのせいにした。

 

今日はまた違う日にしようと誓ったが、いやいや今日も昨日と同じくらい寒いじゃないか。

 

寒さが原因だとしたら、今日も厳しい。

観てもらえたとしても、昨日の0組が寒さが原因じゃないことを自分で証明することになる。

 

おっと、どっちに転んでも傷つくことになるパターンだ。

もう寒さのせいにするのはやめよう。

 

とりあえず観てもらえるといいな。

前日が0組とのときは、「今日も観てもらえないんじゃないか…」と、やっぱり少しネガティブになりがちだけど、昨日が良かろうと悪かろうと、やるべきことは何も変わらないですからね。

 

とにかく今の自分に出来ることをやり切ろう。

悪いイメージを払拭するには、いい思い出で上書きするしかない。

 

こんな日に結果を出せると、行きの道と帰りの道が、同じ場所でも全然違って見えたりするんですよね。

 

他の人には、同じ場所だから同じ景色にしか見えないだろうけど、不安いっぱいの行きの景色とやりきった満足感に溢れている帰りの景色とでは、本当に全然違ってくる。

俺にはわかる。

 

だから、写真を撮ろう。

何でもない道端の写真

何でもない道端の写真(行き版)

 

今日は、やるべきことやりきって結果だして、帰りにもう一度この景色を見て、「いやー、行きの景色と全然違うわ。頑張ったなー!」と、自己満足に浸ることを目標にしよう。

 

初めての西川口駅

駅周辺をウロウロして、よきところを探す。

 

「ここにしよう。あ、いや、あっちもいいな。でも、むこうも悪くないか」

 

いつも通りのウダウダタイムが始まりかけたので、もういいやと結局その場で始めた。

 

なぜだか、外国人が多い。

ベトナム語や韓国語、中国語やタイ語のような言葉も聞こえる。

 

あと、客引きもそこそこ。

それから、僕が少し苦手とする、ヤンキーっぽい感じの見た目イケイケ系の若者も多い。

 

前日は2時間0だったから、とりあえず1組やりたい。切実に。頑張ろう。

 

 

5分後。

早速、男性3人組が止まってくれた。

 

僕が苦手とするイケイケ系の若者だ。

金髪にタイトジーンズ。

 

なぜ苦手と感じるかというと、おそらく過去にバカにされたことがある人の中に、チャラい感じの見た目の人が多かったからだと思う。

 

いつも通り、内心ちょっとひるんだが、せっかく興味を持って止まってくれた。

やるしかない。

 

『マコ、やめとけ、早まるな』という一番気合の入った演目をやった。

 

「おおおー!!!」

 

と言いながら拍手してくれた。

 

よかったー。まじで。本当に。

 

昨日の2時間全く観てもらえない苦しみがあったから、このときの嬉しさは半端じゃなかった。

空腹が最上の調味料というように、芝居を観てもらうこと、楽しんでもらうことに飢えてたので、めちゃくちゃ嬉しかった。

 

あと、見た目で判断することの危うさ。

本当に自分は見た目でいろいろ勝手に決めつけてしまう、悪いクセがある。

 

一番ダメだったのは、外国人が目の前を通ったから、「ひとり芝居観ませんか?」と声をかけるのをやめたら、「何やってるんですか?」と、イントネーションまで完璧の流暢な日本語で話しかけられたときだ。

 

人は見た目では何も分からない。

こういう出会いがあると、その度に気をつけなければと思わせてくれる。

 

今日もやって本当によかった。

「今日もやってよかったー」の顔

「今日もやって本当によかった」のときの顔

 

開始5分で、満足感に浸りそうになるが、まだまだだこれから。

3時間やると決めてるので、あと2時間50分ある。

 

1発目の出会いがいいと、満足して貪欲さがなくなり、その後尻すぼみということは、言わずと知れた路上役者あるあるだ。(誰も知らない)

 

気を入れ直して、2組目へ向けて再スタート。

 

10分後、一人の女性が観てくれた。

しかし、反応は無し。

 

「よく分からなかった」という感想が、言われたわけじゃないのに、はっきりと聞こえてくる。

 

ここから、1時間。

 

 

また0組。

 

昨日の悪夢が蘇る。

 

んー、難しい。

一筋縄には、本当にいかない。

 

何かを変えなきゃダメだと思い、とにかく初心に返って、がむしゃらに1人の人の心を鷲掴みにしよう。

 

それだけ決めた。

あと、1時間半以上残っているが、”その1人”が観てくれると信じて頑張ろう。

 

10分後。

1人の男性が止まってくれた。

 

大塚にある萬劇場で芝居を観た帰りだそう。

 

きっと、このお兄さんが”その1人”だ。

そう思って、全力で演じる。

 

反応はすごくよかった。

きっとこのお兄さんに僕の舞台観てもらえたら、また全然違った楽しさを感じてもらえると思う。

 

ガッツリ舞台の営業もして、別れる。

繋がるといいな。

 

その後も、3人組の酔っ払った男性が、「お兄さん、めちゃくちゃよかった!!」と言ってくれたり、男女2人組の方が観てくれて、お姉さんの方が、「表情がすごかった。涙が出てきちゃう、感動した」と言ってくれた。

 

嬉しすぎるだろう。

だから、写真を撮った。

嬉しすぎるだろ!

 

「涙が出てきちゃう」とまで言ってくれた方と、浮かれる路上役者の写真

「涙が出てきちゃう」とまで言ってくれた方と、浮かれる路上役者

 

今日は、こんなにいい出会いばかりで、とても幸せだ。

 

いい出会いがあると、路上に立つのをすぐにやめたくなる。

たぶん、いい気持ちのまま終わりたいんだと思う。

 

この気分の良さを、悪い出会いによって汚したくないみたいな思いが強くなり、弱気になって、めちゃくちゃ守りに入る。


特に団体が通り過ぎるとき。

団体は、バカにされる可能性が高いから。

通り過ぎたり、自分の目の前じゃない違う道に逸れたり、外国語が聞こえたりすると、めちゃくちゃ安心する。

 

ここら辺は、本当自分の弱さを痛感しますね。

 

いまの時刻は22時40分。

そういえば、21時半くらいに、

 

「お兄さん、何時までやってますか?」と聞いてくれた女性がいた。

 

戻ってきてくれるのかなと思ったけど、そうじゃないみたい。

またいつか観てくれるといいな。

 

そんなことを思い出していると、

 

「あ、お兄さん!戻ってきました!」

 

戻ってきてくれた!

間に合うように色々調整して、戻ってきてくれたんだろう。

 

なんてありがたい。

今日は本当にいい出会いばかりだ。

 

路上役者「ありがとうございます!戻ってきてくれたんですね!!」

女性「あ、ちょっと〇〇(おそらく友人の名前)!ねえ!〇〇!!」

 

友人の名前を呼びながらどこかへ行った女性は、その後戻ってくることはありませんでした。

 

 

まぁでも、昨日と比べると、本当に今日はよかった。

 

あ、そうだ。

こんな結果を出した日には、行きの道と帰りの道が、同じ場所でも全然違って見えるはずだ。

 

他の人には、同じ場所だから同じ景色にしか見えないだろうけど、不安いっぱいの行きの景色とやりきった満足感に溢れている帰りの景色とでは、本当に全然違ってくる。

俺にはわかる。

 

だから、写真を撮ろう。

何もない道端の写真(帰り版)

何でもない道端の写真(帰り版)

 

分かるだろうか?

この景色の違いが。

 

 

僕には、分からなかった。

 

 

今日もこの後、19時から南越谷!

3日連続で初めての場所!

今日もいまの自分にできる最大限をやり尽くします!!

 

悪いイメージを払拭するには、いい思い出で上書きするしかない、の写真

 

 

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