俺は路上で生きていく

路上での一人芝居のみで生計を立てる路上役者のブログ

一人で出来たことなんて何一つなかった

 

昨日、最近歌のレッスンに通い始めたという若い男性に出会いました。

 

彼は、

「僕は、歌の技術もないし、あなたのように路上に立つ勇気もない」

と、言っていました。

 

でも僕は思うんですよね。

技術がないことは行動しない理由にはならないって。

 

だから、

「そんなん俺だって、技術ないよ!今でもそうだし、路上を始めたときなんて、今よりもっと下手だったよ!」

と、返しました。

 

昨日だって、芝居中に

「なんか面白そうじゃね…?」と言いながら、立ち止まった男性2人組が、5秒後には「つまんねえな」と言って、去っていった。

 

そもそも、技術ってなんだろう。

芝居や歌の「上手い・下手」はもちろんあるし、めちゃくちゃ重要だけど、それが一番ではない。

 

演劇界にいると、どうしても「上手い人」がパワーを持つ。

上手くなければ認められないし、上手くなければ地位を築けないし、下手くそは肩身の狭い想いをする。

 

実力の世界なんだから、そりゃそうだ。当たり前。

 

でも、打率やホームラン数、ゴール数とかアシスト数が数字で明確に出るスポーツと違って、芝居や歌などの表現は上手い/下手の境界線は人によってかなり違う。

 

「つまんねんな」と言われて5秒で見限られた僕は、その10分後に涙ぐみながら「あなた、お芝居上手じゃん…!」という感想をいただいた。

 

僕は、自分の技術はまだまだ未熟だと思っている。

路上を始めた6年前は、確実に今よりもっと技術は低いし、自信もなかった。

 

でも、「技術がついてきた」と思うタイミングっていつだろうか?

「技術がない」と感じるタイミングがあるのなら、「技術がある」と思えるタイミングもあるのだろうか?

 

僕は、おそらくないと思う。

 

一生勉強は続くし、続けなきゃいけない。

一生技術を磨き続けなければいけないということは、一生「技術がある」と思えるタイミングなんてこない。

 

だから、技術不足を理由にしてたら、一生何もできないと思ったので、技術不足を百も承知で路上を始めることにしました。

 

それに、僕には勇気もなかった。

 

この動画を見て猛烈に心を動かされたので、人生で初めての路上ライブは新宿駅南口でやると決めていた。

【路上LIVE】「Pellicule」by 不可思議/wonderboy - YouTube

 

自作のコントを作り、セリフを覚え、稽古を重ねて、3ヶ月くらいかけて準備した。

看板や音楽を流すためのスピーカーなども用意し、万全の準備を整えて新宿駅に行った。

 

けど、出来なかった。

必死に作って覚えてきたセリフは一言も出てこなかったし、そもそも作ってきた看板を出すことさえ出来なかった。

 

理由は、ただただ怖かったから。

 

準備万端、あとは始めるだけの僕は、結局3時間もの間、新宿駅の南口に立ち尽くしているだけだった。

 

そして、リベンジを期した翌日2日目。

僕はまた3時間、新宿駅南口に立ち尽くした。

 

もう一人じゃできないと悟った僕は3日目、当時の彼女(今の奥さん)にサクラを頼んで付いてきてもらった。

知り合いの目を、やらなきゃいけないという強制力に変えて、踏み出せない自分のケツを叩いてもらおうと思った。

 

けど、また僕は立ち尽くしていた。

書いてて、笑えてきた。

 

なにしとんねん。

はよ始めろ(笑)

 

ただ付いてきてもらっただけになってしまった僕は、あまりの自分の意気地のなさと情けなさ、付いてきてもらった申し訳なさに涙が出てきた。

 

書いてきて、笑えてきた。

泣く暇あったら、とっとと始めろ(笑)

 

そして4日目、またサクラを頼んで付いてきてもらった僕は、看板を広げず、音楽も流さず、当初の自分の想定を下回る形ではあったけど、何とか1回だけ考えてきたコントを演じることができた。

 

こんなヤツ、勇気があるなんてとても言えない。

 

考えてみると、僕はただの1度だって自分一人の力で踏み出せたことがない。

 

路上を始めるずっと前の25歳のとき、役者と言いつつ、役者の仕事が1年に1回ぐらいしかなかったとき。

 

「このままじゃダメだ。何かを変えなければ」と思って、無銭旅をした。

お金も携帯も持たずに、東京からヒッチハイク屋久島を目指す無銭旅。

 

このときも、準備万端なのに2日間怖くて出発できず、結局先輩に「俺、明日こそ出発しますからね!本当に出発しますからね!」と、怯える子犬のようにワンワン連絡し、自分に強制力を持たせて、ようやく出発できた。

 

居酒屋でテーブルを回ってひとり芝居を披露する”流し”の仕事だって、路上で出会った方が知り合いの居酒屋を紹介してくれたことで実現した。

 

今年、念願だった劇団ノーティーボーイズという劇団の芝居に出れたけど、そのときもお世話になっている衣装さんに、クヨクヨしながら相談した。

 

本当は、色々一人で進めたい。

だって、そのほうがカッコいいじゃん(笑)

 

テレビや動画のインタビューで、武勇伝を語っている成功者のように、「俺は自分の頭で考えて、自分の力で道を切り拓いてきたぜ」的なこと言いたい!(笑)

 

でも、もう33歳。

ここまできて結果を出せてないという事実が、自分にそこまでの能力がないと言うことの何よりの証。

 

そして、思い返せば僕は、自分一人の力で出来たこと、始められたことなんて何一つなかった。

 

でも、思う。

「技術がない」は行動しない理由にならないし、「勇気がない」は他人にすがってケツを叩いてもらえばいい。

 

僕は、技術も勇気もないけど、毎日必死にベストを尽くして技術をつけるために試行錯誤してるし、色んな人にすがることで少しは勇気もついてきたと思う。

 

でも、これからも一人じゃ無理だと思ったときは、強がって一人で解決できないと思ったときには、他人にすがり甘えまくり、大いに力を貸して頂きながら進んでいきたいと思います!!

 

一人で出来たことなんて何一つなかった

 

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram

 

売れてやる

 

最近、強く思う。

売れたい。

 

売れてやる。と書かれている、路上役者亮佑がテレビに出た時の写真

 

売れるという言葉、あんまり好きじゃなかった。

でも、いまはそうじゃない。

 

とにかく、売れたい。

 

売れることが、みんなを幸せにする唯一の手段だと思う。

 

昨日、劇団の忘年会がありました。

劇団ノーティーボーイズ公式HP

 

今まで「売れる」という言葉から逃げてました。

 

なんか「売れる」には、「有名になりたい」「チヤホヤされたい」「テレビに出たい」みたいな、軽くてミーハーっぽい意味合いが含まれてる気がするんですよね。

 

だから、

「いや、俺はそこらへんのミーハーとは違うよ?ちゃんと本気で芝居に向き合ってるよ?」

という、”コイツは違うな感”を演出するために「売れる」という言葉を避けてきました。

 

でも、やっぱり売れたい。

 

テレビに出たいし、チヤホヤされたいし、有名になりたい。

 

役者をやっている人は、ゴマンといる。

でも、そのうち圧倒的多数の人は売れずに俳優人生を終える。

 

僕は今年、人生で初めて劇団というものに入った。

 

心から尊敬できるリーダーがいて、その魅力に取り憑かれた僕を含めた同志たちがいる。

同じリーダーを信奉した同志として、とても尊敬できるメンバーたち。

 

でも、そんな僕を含めたメンバーたちも、売れずに俳優人生を終えていく可能性が高い。

圧倒的に高い。

 

役者をやっている99.9%の人は売れないように、うちの劇団だって売れずに終わる可能性の方が高い。

 

現実問題として、そう思った。

 

ノーティー”ボーイズ”という劇団名とは名ばかりで、実態は平均年齢40超えのおじさん集団だ。

 

僕は33歳だけど、劇団の男性俳優では二番目の若さ。

一番若い奴は32歳。

ボーイズはいない。

 

女性俳優は男性陣より若いけど、どうしようもできない問題として、女性は現実的に表現活動とは違う幸せを追い求めていく可能性が男性より高い。

 

人間と同じように、劇団だっていつかは無くなるわけで、それがいつかは誰にも分からない。

たぶんこういうことは、想像している以上に早く来るものだと思う。

 

僕は明日交通事故で死ぬかもしれないし、来月には俳優人生に終止符を打っているかもしれない。

未来は誰にも分からない。

 

分からないけど、可能性として売れるか売れないかで言ったら、売れない可能性の方が高い。

 

僕は、この劇団が好きだし、この劇団の作品が好きだし、この劇団を応援してくれる方も大好き。

だから、みんなで幸せになりたい。

 

劇団も、劇団員も、劇団のファンの方も。

 

もちろん、売れない=不幸ではないけど、売れたら多くの人が幸せになる、ということは事実だと思う。

 

そして、多くの人を幸せにするには、やっぱり「売れる」ということが最高の手段なんだと思う。

 

当たり前か。

 

でも、当たり前のことも口に出していかないと伝わらないから、当たり前のことをしたり顔で言い続けていきます。

 

俺が売れたら、つまり、俺が有名になったら、テレビに出れるようになったら、チヤホヤされるようになったら、より大きな舞台で公演を打てるようになる。

 

そしたら、昔からの劇団ファンの人には、「うわぁ、こんな大きな劇場でやれるようになったんだなぁ」と思ってもらえる。

幸せだなぁ。

 

僕らは、芝居の収入が増えて、バイトとかしなくて済むようになって、芝居にかけられる時間が増える。

もっと時間をかけられるようになれば、作品の質も高めていけるし、作品の質が高まれば、お客さんの満足度だってもっと上げられる。

最高だなぁ。

 

収入が増えたら、劇団員だけじゃなくて、劇団員の家族も幸せになる。

親は、少し安心してくれるかもしれないし、劇団ノーティーボーイズには既婚者が多いので、奥さんだって安心させられる。

 

「30過ぎてプー太郎しやがって。ちゃんと正社員として働け」

と言っている僕の親父みたいな人も、少しは安心する。かもしれない。

 

劇団ノーティーボーイズが、国内で一番の人気劇団と言っていい「TEAM NACS」のように、公演で全国回って7万人を動員できるようになったら。

 

そんな風に、劇団が売れていければ、劇団に携わるたくさんの人を幸せにできる。

 

だから、俺が売れてやる。

 

だから、皆さん。

一度でいいです。

 

俺が世界で一番面白いと思う劇団、劇団ノーティーボーイズの舞台を観にきてみませんか?

劇団ノーティーボーイズ公式HP

 

 

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram

 

越谷レイクタウンvs路上役者亮佑〜2022.12.20@越谷レイクタウン〜

 

12月20日。越谷レイクタウン

7月に初めて行ったときの結果はこちら。

 

 

前日の新小平に引き続き、前回行って0組だった場所へのリベンジ!

 

今日もかなり寒い。

この寒さで新たな方法がどれぐらい通用するのか、それとも越谷レイクタウンの返り討ちか、路上役者との一騎打ちが始まった。

 

キックオフ!

 

越谷レイクタウンvs路上役者亮佑の写真

 

前半1分。

越谷レイクタウンが試合開始早々に1点を先制する。

 

強風が吹き、下に置いている投げ銭説明用の画用紙が飛びそうになる。

路上役者はひるんだ。

 

前半10分。

路上役者が早々に同点に追いつく。

 

小学校6年生の女の子3人組が立ち止まってくれたのだ。

「すごくおもしろかったー!」

という感想をもらい、俄然勢いづくチーム路上役者。

 

チーム越谷レイクタウンは、ここからどう立て直していくのか。

 

しかし、驚いたことがある。

小学校6年生の彼女たちは、塾に通っていて、その塾帰りで見てくれたんだけど、なんと塾に通っている目的は、「高校受験」らしい。

 

しかも、4年生から通い始めている。

 

わぞ。

いや、わぉ。

 

過去の出来事なのに、改めて驚きすぎて、「ぉ(xo)」と打つところを、キーボードで隣の「ぞ(zo)」と打ってしまった。

 

僕は中学受験をしたけど、塾に通い始めたのは小5のとき。

中学受験の自分より早い時期から、高校受験の準備をしてるなんて…

 

わぞ。

まじわぞ。

まじわぞわぞ。

ぞわぞわ。

 

しょうもない言葉遊びをしているうちに、試合が再開されている。

そのあとは、ホームチーム越谷レイクタウンとアウェイチーム・路上役者亮佑、一進一退の攻防が続く。

 

越谷レイクタウンは風と寒さで、路上役者亮佑は熱量で対抗する。

 

前半40分。

越谷レイクタウンが勝ち越しに成功する。

 

風と寒さで徐々に路上役者の体力を奪い、体を震えさせることに成功したのだ。

 

しかし、前半50分。

路上役者亮佑が前半終了間際に同点に追いつく。

 

アシストは、また小学校6年生だ。

今度は男の子で、めちゃくちゃ寒いのに、めちゃくちゃ薄着。

 

この真冬並みに寒い大寒波の時期に、Tシャツに薄いウインドブレーカーの2枚だけ、下は半ズボンという陽気な秋の装い。

 

俺も寒さなんかにまだまだ負けてらんねえぜと、息を吹き返した。

 

そんなこんなで前半終了。

勝負は、後半の1時間に委ねられた。

 

ーーーーーー

 

 

後半開始。

 

越谷レイクタウンは、やはり油断ならない強豪チームだ。

クロアチアぐらい強い。

 

しかし、そのクロアチア相手に先制した日本代表のように、路上役者も後半開始早々1点を勝ち取り、ついに試合をひっくり返す。

 

一人の若い男性が止まってくれた。

 

クソ寒いのに、芝居そんな見るわけでもと言っていたのに、「見ましょう!」と言って見てくれたのだ。

 

選んだ演目は、喜びをテーマにしたひとり芝居『失恋』。

 

感想は…

 

「よかったです、世界に引き込まれました」

と言ってもらえた。

 

いやー、最高に嬉しかった。

そのあと、温かいお茶の差し入れまで頂いてしまった。

心温まるお茶の差し入れ。の写真

心温まるお茶の差し入れ。ありがとうございます!

 

1点じゃなくて、満塁ホームランで一気に4点ぐらい入った気分。

サッカーじゃなくて野球に例えればよかった。

 

おまけに、次の日、このお兄さんは僕のインスタグラムをフォローしてくれた。

路上とは、また違った楽しさを絶対に感じられる舞台にも来てほしいな。

 

次の舞台が決まったら、個人宛に5分のビデオレターを送ろう。

 

しかし、ここからは越谷レイクタウンワンサイドゲーム

持ち味の風と寒さで、路上役者を自陣に押し込んでいく。

 

寒い。

足先の感覚がなくなってきた。

 

当初の予定は3時間だったが、この寒さでは2時間が限界だ。

もう面倒臭くなってきたから、サッカーに例えるのもやめよう。

 

その後、試合終了の2時間まで芝居をやることはなかった。

 

でも、終わりがけ、一人の外国人と思わしき男性が、何も言わず千円を手渡してくれた。

 

一回断ったけど、それでも渡してくれた。

「頑張れよ」というエールだと思って、ありがたく頂いた。

 

俺も早く売れたい。

売れたら、路上ライバーに1万円渡すのが密かな夢。

 

密かな夢なのに、ブログに書いてしまった。

でも、このブログを最後まで読んでくれている一握りの人にならいいか。

 

最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

今日は所属劇団のノーティーボーイズの忘年会、明日は奥さんとチキン食べながらクリスマスパーティーするので、路上はお休みです!

 

 

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram

 

貼るカイロと貼らないカイロ。〜2022.12.19@新小平〜

 

12月19日、新小平。

 

リベンジの新小平。

 

僕は、いつもウィキペディアに出てくる一日あたりの利用者数を参考に、路上芝居をやる駅を決めています。

 

だいたい3万〜7万人がやりやすい駅で、よく行く十条は3万6千人で、川口駅は8万4千人。

 

そして、新小平は1万1千人。

めちゃくちゃ少ない。

 

6月に埼玉に引っ越してきたとき、やっぱり東京よりも人が少ないなと思い、じゃあ逆にどんだけ少ない駅までいけるんだろう?と思って、チョイスしたのが新小平。

 

一日に1万1千人しか利用しない駅である程度できるなら、かなり幅広がりますからね。

 

そして、そのときの結果は、、、

 

1時間半やって0組。

 

「さすがに1万1千人の駅じゃ無理なんだな」と思いました。

 

でも、あれから時が経ち、路上やるときの呼び込みの仕方も変えて、手応えをつかめてきたので、いま行ったら違う結果が出るんじゃね?と思って、行ってみました。

 

 

19時、到着。

 

想像以上に、、

人がいない!!!

 

え?こんなだったっけ?ってビビるぐらい人がいない。

もう電車終わっちゃったのかな?って思っちゃうぐらい人がいない。

 

そういえば前来たときに「さすがに人少なすぎるから、もう来るのはやめておこう」的なことを思った気がする。

 

記憶力ゼロの自分を嘆きたくなる。

 

10分経過。

息をするように0組。

 

これは、、、やっちまったな。

そう思いながら、やり続ける。

 

僕は、2度と同じミスは繰り返さない。

 

そんなカッコいいことを言ってみたいけれど、僕は同じミスを3回ぐらい繰り返してようやく覚える。

 

この新小平が残念な結果で終わったとしても、まだ2回目のミス。

俺にしてはいいほうだな。

 

そんな呑気なことを考えていると、目の前に一人の女性が立っていた。

 

以前、別の場所で二度ほどお会いしている方だ!!

 

たまたまこの時間に近い駅にいたこともあり、足を運んでくれたそう。

 

これは嬉しい。とても嬉しい。

早速0組を覚悟していたので、嬉しい共にホッとした。

 

こういうときは、わざわざ観に来てくれた方はもちろんだけど、自分にも感謝したくなる。

 

過去の自分が頑張ったおかげで、いま嬉しい思い出が経験できてる。

あのときの自分がサボってたら、いまこの出会いは実現していない。

 

過去のあのときの自分、ありがとう!

 

でも、その後30分ほど、0組。

息をするように安定の0組。

 

てか、さみぃ。足先の感覚がなくなってきてる。

 

前回より成長していることを、新小平に見せつけるには、新小平で初めましての人にも観てもらいたいなぁ。

 

なんて思ってたら、男性2人組が止まってくれた!

しかし、

 

「お兄さ〜ん🎵トイレ行きたいから30秒で!」

 

なかなか酔っ払ってるようだ。

こういうとき、明らかに面倒臭そうな人の場合は断るけど、僕もクソほど暇を持て余していたので、30秒で終わるもはや一発芸に近い芝居もどきを披露した。

 

「お兄さ〜ん🎵悪くなかったよ〜」

 

たぶん、そこそこ楽しんでもらえたようで、何よりだった。

 

そこからまた30分ほど時間が経ったとき、一人のお兄さんが話しかけてくれた。

 

「私、今から閉店間際のスーパーに行かないといけないんです」

 

突然のお知らせに戸惑う僕。

とても戸惑う僕。

 

「明日、家族が退院するので、お祝いの料理を作ろうと思いまして。今から閉店間際のスーパーに行かないといけないんです。だから見れないんですけど、これ」

 

と言って、手には千円札。

 

色々戸惑う僕。

 

さすがに、何もしてないので、

「いやいや、また次時間あるときに見てください!そして、そのとき芝居が良かったらそのお金ください!」

と言ったら、

 

「そうですか。今日はとても寒いですよね、ではこれを。貼るタイプです」

 

と言って、ホッカイロをくれた。

貼らないタイプだった。

 

全てに戸惑う僕。

 

でも、優しい。とても優しい。

そのお兄さんは、絵描きをやっているらしい。

 

退院祝いの料理は、チーズインハンバーグらしい。

登場の仕方は、超ド級の変化球だったけど、お祝いの料理はわりとストレート寄りだった。

 

ちなみに、貼るタイプですと言われて頂いた、貼らないタイプのホッカイロは、開封済みだった。

もう戸惑わなかった。

 

ありがとう、お兄さん。

美味しいチーズインハンバーグを作ってあげてください!

 

最近の寒さは、本当に厳しい。

2時間ぐらい外に立ってると、足先の感覚がなくなってくる。

 

この日も足先の感覚がなくなってきた頃、一人の女性が来てくれた。

先月まで中野坂上でやっていた舞台『CAFÉ de 金剛』で僕を知ってくれた方だ。

 

こんな寒い中、僕の路上のために外に出てきてくださったそうだ。

僕だったら、絶対家でぬくぬくしてる。

 

いやぁ、嬉しい。

とても嬉しい。

 

路上のお客さんが舞台に来てくれるのも嬉しいけど、舞台のお客さんが路上に来てくれるのも同じくらい嬉しい。

 

足先の感覚がないのを忘れ、30分ほど芝居観てもらったり、お話をさせて頂いたりした。

 

差し入れまで頂いてしまった。

来てくださるだけでも嬉しいのに。。。

 

ちなみに差し入れは、ホッカイロだった。

貼るタイプの。

 

今日はカイロに縁がある。

貼るタイプにも貼らないタイプにも。

たち頂いた貼るタイプと貼らないタイプのカイロ

頂いた貼るタイプと貼らないタイプのカイロたち

 

前の舞台のとき、貼るタイプのカイロ60枚入りを差し入れで頂いているので、どうややら冬本番の2月まで毎日使い続けても持ちそう!

 

ありがたすぎる。

 

色んなことに感謝を忘れずに、頑張っていきたいと思います!

 

さ、寒くなってきた。

おうちにカイロ。(帰ろ)

くだらないダジャレを聞いたときの顔

くだらないダジャレを聞いたときの顔

 

貼るカイロと貼らないカイロ。

 

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram

 

僕は、誰かにとっての悪魔で、誰かにとっての天使〜2022.12.18@川口〜

 

12月18日、川口。

めちゃくちゃ寒かった!今日は、今季一番の寒気がきてるらしい。

 

家出た瞬間は、「なんだ大したことねぇな。3時間くらいなら路上できそうだ」って、高を括ってたけど、始めてみたら段々笑えない寒さになってきた。

 

かなり寒い日でも、芝居やったら体が温まるので、30分に1組くらい観てもらえれば、なんとかなるんですよね。

 

でも、観てもらえないとなかなかしんどい。

 

早上がりの目安は、足先の感覚がなくなったらと決めてるので、とりあえず限界までやろう。

 

15分経過。0組。

 

。。。

 

30分経過。0組。

 

おっと雲行きが怪しいぞ。

なんて思ってたら、1組のご夫婦が止まってくれた。

 

ありがてぇ!!!

 

「さっきからずっと気になってたんだよ。だから戻ってきちゃったよ」

 

と言って、500円をくれた。

先払いパターンだ。

 

いつものように僕は、「投げ銭なので、ダメだったら没収してくださいね」と言いつつ芝居を始めた。

 

ところが。

 

旦那さんの方は、僕が芝居をしている最中、基本こっちを観てなかった。

 

路上では、お客さんとの距離がめちゃくちゃ近いので、お客さんがどんな感じで観てるのか様子が分かる。

僕からは、旦那さんの目ではなく、帽子のツバしか見えなかった。

 

ずっと俯いていて、耳だけをこちらに傾けてる感じ。

まさかの、お客さんが自主的にラジオドラマにする観劇スタイル。

 

3分のひとり芝居という名のラジオドラマがおわった。

 

「面白くないな」

 

「でしょうね!」と言いそうになったが、奥さんは楽しんでくれていたので、まだよかった。

 

「これじゃ500円は払えねえな」と、先払いの500円は100円になった。

 

でも、長らく路上やってきて、立ち止まってくれたけど、芝居中ほとんどこっちを観ない人ってけっこういるんですよね。

 

周りが気になるのか、恥ずかしいのか、俺の芝居に熱が感じられないのか…

 

とりあえず、こんな寒空の下、ラジオドラマだったらたぶん家で聞いたほうがいいし、俺も室内で収録したいよ!

 

そんなことを思いながら、次への呼び込みを再開した。

 

 

15分経過。0組。

 

。。。

 

30分経過。0組。

 

おっと雲行きが怪しいぞ。

なんて思ってたら、1人のお兄さんが止まってくれた。

 

ありがてぇ!!!

 

「一回通り過ぎたけど、気になったので戻ってきました」

 

30分観てもらえなかった後に、戻ってきてくれた方。

ん…?既視感があるぞ…

 

「千円でいいですか?」

 

先払いパターンだ。

これも既視感がある…

 

これはもう、そういうことだな。と思って、さっきと同じ演目を自分でチョイスした。

リベンジや。

幸い、お兄さんは帽子を被っていない!

 

芝居中、こっちを観てくれている…

 

感想は…

 

「お兄さん!よかったよ!」

 

「でも、お兄さんはもう少し歳取ってから売れるね。俺はそういうのよく当たるんだよ。俺、嘘は言わないから。お兄さんの顔は、もう少しシワが出てきたから、味が出る顔だし、芝居も上手いし、絶対にもう少し経ったら絶対売れるよ」

 

先ほどの悔しさがあった分、素直に嬉しかった。

ありがとうございます。僕、あなたの言葉を嘘にしないように頑張ります。

本当にありがとうございます。

 

 

路上には、本当に色んな人がいる。

 

「なんでそんなこと言うの?」という悪魔のような人もいれば、「なんでそんなことしてくれるの?」という天使のような人もいる。

 

まぁもちろん、その悪魔も天使も、僕にとってはというだけで、僕にとって悪魔のような人は誰かにとっての天使だろうし、逆も同じ。

 

そんな僕も、誰かにとっての悪魔で、誰かにとっては天使だと思う。

誰もが、誰かにとっての悪魔で、誰かにとっての天使。

 

1組目の旦那さんにとって、僕は悪魔だったかもしれないし、2組目のお兄さんは僕を天使と思ってくれたかもしれない。

 

そんなことを考えていたら。

 

「寒いけど、頑張ってね」

 

芝居を見ずに、さっと千円札を置いていってくださった方がいた。

 

今は時間がなくて、芝居は見れないらしい。

ぜひ次回、芝居を観てみて良かったらください、と伝えたが、それでも渡してくれた。

 

ここにもまた天使のような人がいた。

 

 

エンターテイメントというのは、本当に不思議な力がある。

「この人は自分にとっての悪魔かもしれない」と第一印象で抱いたとしても、芝居で通じ合えると、天使のような関係になることもある。

 

こないだ久喜駅でそんな出会いがあった。

 

芝居の力を借りて、エンタメの力を借りて、自分にとっての天使を増やす努力をしていきたいと思います!

僕は、誰かにとっての悪魔で、誰かにとっての天使〜2022.12.18@川口〜

 

 

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram

 

なんの言い訳もできない、完全な実力不足とわかる反応〜2022.12.17@十条〜

 

「これ絶対面白いでしょう!」

 

十条で出会ったご夫婦が、芝居を始める前にタイトルを見てこう言ってくれた。

これはもう、完全な勝ちパターン。

 

だと思った。

 

芝居が終わった後の反応は、決して良いとは言えない、苦笑いに近いようなリアクションだった。

 

一番悔しい反応だ。

なんの言い訳もできない、完全な実力不足とわかる反応。

 

親にとって、自分の娘や息子のピアノの発表会は、世界トップクラスのショーにも勝るエンタメになるように、「面白い」というのは、「心の距離感×クオリティ」という掛け算だと思う。

 

いくらクオリティが高く、面白い芝居だったとしても、心の距離感がもはやマイナスの憎たらしい奴が作った芝居ならば、「面白い」なんて思えない。

 

だから僕は、路上ではまず雑談したり丁寧に自己紹介したりして、少しでも心の距離感を縮めてから芝居を観てもらうようにしてる。

 

僕の第一印象はほとんど、「路上で変なことやってる怪しい人」なので、警戒心を和らげてもらえないと、芝居が「面白い」という評価を得られる可能性が低くなってしまう。

 

でも、十条で会った「これ絶対面白いでしょう!」と最初に言ってくれたご夫婦は違った。

 

二人で自ら僕に近づいてきてくれたし、自己紹介も興味深そうに聞いてくれたし、芝居もしっかり観てくれた。

 

その結果が、ほぼ苦笑い。

 

悔しい。

悔しさしかない。

 

心の距離は、むしろ向こうから縮めてきてくれたのに、満足感を与えられなかった。

完全なクオリティ不足であり、実力不足。

 

路上には、本当に色んな人がいる。

立ち止まってくれたのに、何を話しかけても無言を貫く人がいたり、ソーシャルディスタンスの3倍くらいの距離をとって観ようとする、心の距離どころか物理的な距離が遠すぎる人がいたりなど、本当にさまざま。

 

心の距離感がゼロ、むしろマイナスの人もたくさんいる。

 

こういう人に対しては、芝居の反応が悪かったとしても、芝居自体というより、心の距離感を詰め切れなかった部分の反省が大きくなる。

 

「面白さ=心の距離感×クオリティ」と考えると、心の距離感が遠すぎてしまうと、その時点で楽しませるのはかなりムズい。

 

でも今回は、十二分なほどに心の距離感が詰まった状態。

 

まさに、なんの言い訳もできない完全敗北。

 

あぁ。

本当に悔しい。

 

このご夫婦が去った後、僕は一人で「あぁ、悔しい」と何回も言っていた。

 

すると、そのご夫婦が戻ってくれた。

 

「寒いから、これ飲んで温まって。頑張ってね」

ご夫婦からいただいたホットコーヒー

ご夫婦からいただいたホットコーヒー

 

優しさが、心の傷に沁みる…

 

また一つ努力する理由ができた。

成長して、いつかまたあなた方に観てもらえた時に、今度こそ楽しんでもらえるように日々を過ごしていきます。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

12月17日、十条。

雨。寒い。

めちゃくちゃ寒い!

 

前に十条に来たときは、2時間やって0組だったけど、今回は3時間で7組観てもらえた。

 

たった一人で観てくれた演劇部の女子高生や「トイレ行きたいから!」とめちゃくちゃ急かしながらも観てくれたお兄さん(笑)、もう完全に友達になった十条商店街でお店やってるショウコさん。

 

そして、「学生でお金ないので、100点の面白さでも120円しか出せまんせんが観たいです!」と言いながら、「えー!!めちゃくちゃ面白かったです!!」と、最終的に220円出してくれた学生さん。

 

皆さん、ありがとうございました!

観てくれる方がいるおかげで、また頑張ろう、今日も頑張ろうと思えます。

 

また観にいきたいと思ってもらえるように、もっと極めます!

 

なんの言い訳もできない、完全な実力不足とわかる反応、の写真

 

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram

 

再会がいつも心から嬉しい理由

 

冬ってこんなに寒かったですっけ?

最近は本当に寒い。

 

2月が一番寒いのに。まだ12月なのに、こんなに寒いなんて。

まじ冬越せる自信ない。

 

なんて思いながら、フェイスブックの「過去の思い出」で、僕の4年前の投稿が流れてきた。

 

「最近は本当に寒い!冬ってこんなに寒いっけ?春迎えられる自信ない…」

 

感性が4年前からなんも成長してねぇ!

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

12月16日、西日暮里。

 

すごく久しぶりに会いにきてくださった方がいた。

1年以上ぶりだろうか。

 

再会はいつも心から嬉しい。

 

役者ってたぶん、”次”のために”今”に尽くさないといけない仕事だと思う。

 

例えば舞台だったら、自分のお客さんが1度舞台に来てくれたとしても、その1度目がよくないと2度目はないし、2度目がよくないと3度目もない。

 

出演する側としても、1度目がよくないと同じ劇団から2度目は誘われないし、2度目で下手こいたら3度目はない。

 

 

僕は、自分のことをとってもあまのじゃくな人間だと思う。

 

路上でも舞台でも、「面白かった」という感想をもらうことはある。

たくさんあった。

 

でも、さすがに面と向かって、「つまんなかった」と言える人は、ほとんどいない。

 

僕だって、友人や過去の共演者の舞台を観に行って、とりあえず「面白かった」と言ってしまうことがある。

 

でもそれは、120点の「面白かった」のこともあれば、7割が建前の「面白かった」の場合もある。

 

言葉って完璧じゃないですね。

いや、ややこしく使ってるのは自分なんですが。

 

そして、その「面白かった」が、建前ではなく本音と分かるのは、その時ではなくて未来で、2度目に来てくれたときに初めて、あのときの「面白かった」が本音だったんだって分かる。

 

だから、再会は本当にいつも心から嬉しいんだと思う。

 

”次”のために”今”頑張ったあのときが、評価された証だから。

 

2度目は嬉しいし、3度目はもっと嬉しい、4度目はもっともっと嬉しいし、5度目はもう神で、6度目は僕が持っている言葉では表現できなくて7度目は…

 

ずーっと舞台に来てくれてた人が、最近パタッと来なくなった。

6度目があっても7度目がある保証はない。

 

何度繰り返していたって、再会は当たり前のことじゃない。

 

だからきっと、再会はいつも心の底から嬉しい。

 

 

あぁ!

こんな面倒くさいことだけで、900文字も書いてしまった。

1500文字くらいで収めようと決めたのに。

 

悪い癖だ!

昔のバイト先の後輩が舞台に来てくれたときにお礼の長文LINEを送ったら、

 

「河合さん(僕の本名)、ちょっと待ってください!このLINE、足の長さぐらいありますよ…」

 

と呆れられたことを思い出した。

 

さて。

そんな無駄話を挟んだから、1100文字になってしまった。

 

人間が1分間に読める文字数は、600文字ほどらしいので、2ー3分で読める分量にしようと決めたのに。

 

 

 

今日のタイトルは、『そういえば、一人でやれたことなんて一つもなかった』の予定で書き始めたけど、諦めよう。

 

諦めたので試合終了です。

再試合はまたの機会に!

 

タイトルは、再会の嬉しさについて殴り書きしてしまったので、『再会がいつも心から嬉しい理由』とでもしておきましょうか。

 

今日の路上は、19時から十条駅で!

本当に寒いですね。

 

今季一の寒波らしいですよ。

僕の本題から逸れに逸れてしまったブログを、不覚にも最後まで読んでしまったそこのなた!

 

好きです。

お身体大事にしてくださいね。

 

ちょうど、1500文字でおわ

 

再会がいつも心から嬉しい理由の写真

 

 

路上役者亮佑のTwitter路上役者亮佑 | Twitter

 

路上役者亮佑のFacebook路上役者亮佑 | Facebook

 

路上役者亮佑のInstagram路上役者亮佑 | Instagram