俺は路上で生きていく

路上での一人芝居のみで生計を立てる路上役者のブログ

自分の力で上がっていける人生を。

  

どうも、こんにちは!路上役者亮佑です!

 

路上で芝居をやっていると、

「誰か凄い人の目に止まるといいね」

と、よく言われます。

 

 

 

だけど僕は、誰かに見出してもらい、

自分を引き上げてもらおうなんて、全く考えていないです。

 

しかし考えてみると、いま僕がそういう考えを持っているのは、

僕にも、誰かに引き上げてもらおうと考えていた時期があったからでもあります。

 

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〜目次!〜

 

 

【何も面白くなかった事務所時代】

 

僕はいまフリーの役者として活動していますが、

5年前までは小さな芸能事務所に所属していました。

 

今でこそ主戦場は舞台ですが、

事務所時代はドラマやCMなどの映像系の仕事をしていました。

 

その頃から、

「まず芝居だけでメシ食えるようになるぞ!」と野望を抱いていましたが、

そこで僕は、完全な挫折を味わいます。

 

 

【栄光からの挫折】

 

①ちっぽけな栄光

 

悪いことはいきなり直面するのもいいですが、

その前に良いことがあったほうが、より引き立ちますよね。

 

上げて下げるってやつです。

 

僕は、挫折の前にちょっとした栄光を味わいます。

 

NHKのドラマとアサヒビールのCMのオーディションに合格したのです。

 

ドラマは、事務所に入ったとき「登録料」と称して、払わされた10万円を悠々回収できるぐらいのギャラだったし、CMは撮影で1週間海外に行かせてもらいました。(もちろん渡航費や滞在費、全部タダ!)

 

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CMでは、こんなにも絶景の場所にある高級ホテルで、

 

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無名役者の僕にも、なぜかダブルベッドの個室が用意されている待遇で、

 

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(↑実際、こんな感じの部屋だった)
 

 

「CMの金のかけ方はすげぇなー」

と、思ったものです。

 

【↓実際に泊まったホテル】

www.booking.com

 

もう7年も前のことになるのに、

未だにホテルの名前すら覚えているのですから、

僕がどれだけ過去の栄光にすがっているかわかりますね。

 

ドラマとCMの仕事を立て続けに勝ち取っただけですが、

単純な僕は、完全に調子に乗っていました。

 

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②しっかりと挫折

 

そんな浮かれている僕のところに、

満を持して挫折も登場します。

 

ドラマもCMも、撮影のときにプロデューサーと話す機会があったのですが、

そこで僕は、オーディションにおける自分の合格理由を知ることになります。

 

 

ズバリ、ドラマは「野球が上手かったから」(このドラマは野球のドラマだった)

CMは「イメージに合っていたから」

 

 

これは僕にとって、かなりショックでした。

 

なぜなら僕は、オーディションは芝居を見るもので、

そのため当然、僕の合格理由も芝居だと思っていたからです。

 

役者は芝居で判断されるものだから、

役者で食っていくためには、芝居が上手くなければならない。

 

だから芝居が上手くなるために勉強をしていたし、

芝居が上手くなるためにレッスンを受けていました。

 

そう思っていたから、

僕の努力の方向性は「芝居が上手くなること」でした。

 

でも、オーディションの合格理由は芝居じゃなかった。

 

 

ここで僕は、

「じゃあ俺は、何を頑張ればいいんだ?」

と、努力の方向性を完全に見失います。

 

 

【役者で売れるための”王道”の実態は、他力本願】

 

「役者になりたい!」と思ったら、

おそらくほとんどの人は、まず事務所や劇団、スクールに入ろうと思いますよね。

 

僕もそうでした。

みんなそうしているからであり、それが”王道”だと思っていたからです。

 

でも、その王道の実態は他力本願でした。 

 

 

役者を始めて間もないころに、

「こんな仕事があって、お前を使いたいんだけど、どう?」

のように、名指しで仕事が来るはずがありません。

 

なので、駆け出しの役者は事務所が取ってきた仕事を掴み取る以外に、

役者としての仕事をする方法がありません。

 

 

それまでの僕が思い描いていた仕事獲得の流れは、

 

①事務所が仕事を取ってくる(自分ができることほぼない)

②書類選考(自分ができることほぼない)

③オーディション(このために芝居を頑張る!)

 

でした。

 

でも、この③のオーディションにおいても、

必ずしも芝居で選ばれるわけではないと知ってしまった。

 

「野球が上手くて合格したから、他のスポーツも頑張ろう」

それはもう、完全にアスリートだし、

「イメージに合っていて合格したから…」

これは、偶然以外の何物でもない。

 

僕にできることは神頼み以外に思いつきませんでした。

 

自分でどうにかできることが少なく、他力本願の部分が大きい状況に、僕はもう万事休す。

 

完全にお先真っ暗でした。

  

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【誰かが引き上げてくれるのを待つ人生なんて面白くない】

 

知らず知らずに、僕は他者に頼っていた。

知らず知らずに、誰かに引き上げてもらおうという人生を生きていた。

 

やはりそのときは、人生が楽しくありませんでした。

他力本願な人生なんて、つまらない。

 

自分の人生なのに、自分でどうにかできる、自分でコントロールできる部分が小さいって悲しいし、つまらない。

 

しかし、だからと言って、役者としてメシを食っていくために、

何をしたらいいのか、全くわからない状況が続いていました。

 

このドン底の状況の3年間で獲得した仕事は、たった1件でした。

 

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【舞台との出会い、そして路上へ】

 

僕はそんなときに、舞台に出会います。

 

初舞台のときに、チケットバックという舞台のギャラのシステムを知りました。

平たく言うと、チケットを売れば売るほどギャラが増えるシステムです。

 

【参考】

【実録!】舞台役者のギャラってどれくらい?〜舞台のギャラの制度〜 - 路上役者亮佑

 

「これって、チケット売りさえすれば、役者でメシ食っていけんじゃん」

 

他力本願な環境は嫌だけど、かと言って何をしたらいいのか全くわからなかった僕にとって、これはまさに一筋の光でした。

 

そして、僕の努力の方向性が定まります。

 

 

「チケットを売れる役者になること」

 

 

自分の舞台に来てくれる人が増えるように、まず自分のことを知ってもらおう。

 

これが、路上を始めようと思ったキッカケであり、僕の原点です。

 

 

【自分の力で上がっていける選択をしよう】

 

ちょっとした栄光と一丁前の挫折を味わい、

他力本願な環境がイヤで、僕は路上を始めました。

 

そこに原点があるので、

僕は「凄い人の目に留まらないかな」と、

誰かに引き上げてもらおうなんて全く考えていないのです。

 

そうではなく、「自分の力で上がっていける」と思ったからこそ、

この路上芝居という選択をしたのです。

 

今後、僕の役者人生がどうなるかはわかりません。

でも結果にかかわらず、やれることはやり抜きたい。

 

たしかに、誰かに見出され、引き上げてもらえなければ、

俳優として売れることはできないのかもしれません。

 

でも、そのようにして売れていった俳優たちはきっと、

自分のやれることをやり抜いてきた方達だと思います。

 

それに僕は、自分の努力次第で、

必ず舞台役者として売れていける、必ず舞台だけでメシが食える役者になれると信じています。

 

 

誰かが引き上げてくれるのを待ったり、誰かが見出してくれることを前提にした選択ではなく、

自分で上がっていける、そう自分が信じられる選択をしたい。

 

自分の人生なんだから。

 

結果が良かったとしても、悪かったとしても、自分で責任を取りたい。

 

そんな人生を送っていきたいですね。

 

 

 

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