どうも、こんにちは!路上役者亮佑です!
僕は、役者たるもの"芝居"で魅せる職業、
自分の演技や舞台の質を高める努力だけをしていればいいと思っていました。
でも芝居を続けていくにつれ、
質を高めたからといって、必ずしもファンが増えたり、仕事が増えるわけではないことに気付きました。
じゃあ俺は、質以外に何を求めていけばいいのか?
そんな自問自答の末に出た一つの答えは、"親近感"を高めることでした。
〜目次〜
【お客さんは「質の高さ」ではなく「面白さ」を求める】
僕は、小劇場で舞台役者をやっています。
舞台役者は、舞台に立ち続けるためにも、ギャラを上げるためにも、
「集客」がとても重要な一つの仕事になります。
さて、その集客において、集められる側のお客さんは、
いったい何を求めて舞台に来るのでしょうか?
「質の高さ」でしょうか?
もしお客さんが「質の高さ」だけで観に行くかどうかを判断しているならば、
幼稚園の学芸会が満員になるはずはないし、
文化祭のクラスの出し物で半ば嫌々やる演劇にお客さんは来ないはずです。
しかし現実は、学芸会にも文化祭にも、お客さんはたくさんいます。
なぜでしょうか?
それは、お客さんにとっては物凄く「面白い」からです。
学芸会や文化祭の演劇は、必ずしも質が高いとは言えませんが、
それを観に来る人にとっては、おそらく劇団四季や宝塚の舞台より学芸会のほうが面白い。
だから、学芸会や文化祭の演劇にも、お客さんはたくさん来るわけです。
【「面白さ」は何で決まるのか?】
では、その「面白さ」とはいったい何で決まるのでしょうか?
漫画『宇宙兄弟』の編集者である佐渡島庸平さんの著書『ぼくらの仮説が世界をつくる』に、興味深い記述があります。
「おもしろさというのは〈親近感×質の絶対値〉の「面積」だったのです。」
そして佐渡島さんは他にも、
いまの人は、新聞や雑誌などの「練りこまれたプロの文章」より、
SNSの「友だちのくだらない投稿」を読むのに、より多くの時間を割いている。
料理においても、
「人って『おふくろの味はやっぱり美味しい』なんてことを言う」し、
恋人と食べる料理は、料理の質は関係なく美味しいと感じやすい。
逆に苦手な人と食べる料理は、特別な料理でもそこそこの美味しさにしか感じない。
つまり「美味しさ」や「おもしろさ」というものは絶対値があるわけではなく、
「関係性」の中で決まるのではないか、ということも言っています。
「面白さ」は、質だけではなく、関係性も含めた
「質×親近感の面積」で決まる。
そう考えると、学芸会や文化祭に多くの人が足を運ぶ理由も分かります。
親近感は"心の距離"と言い換えることもできるでしょう。
心の距離が近いから、
「アイツ、文化祭でロミオ役やるらしいぜ?見に行ってみようぜ!」となるし、
「今度、孫がオズの魔法使いでカカシ役をやるんじゃ。楽しみじゃのう〜」となって観に行く。
そこには「質の高さ」など関係なく、「親近感」の絶対値が極端に高いので、
「面白さ」では、他のどんなイベントよりもポイントが高くなる。
「面白さ」というものは、
質だけではなく、親近感とのかけ算で決まるものだったのです。
【親近感を高める努力をしよう】
僕が、小劇場で舞台を始めた当初、来てくれるのは友達だけでした。
友達じゃない人は、誰一人として来てくれなかった。
それは間違いなく、心の距離のちがいです。
友達は自分と心の距離が近いから、「お前が出るなら行くよ」と来てくれる。
(ちなみに、たとえ友達であれど、そこまで心の距離が近くない友達は来てくれません。笑)
僕は前回の舞台で103人の方に舞台を観に来ていただきました。
僕がいま、ひたすら路上に立って一人芝居をしているのは、
言い換えれば友達レベルになるまで心の距離を縮める努力です。
そしてその結果が、103人の集客につながった。
質が高い舞台はたくさんあります。
みんながみんな、質を高める努力を最大限にしています。
そこで勝ち抜くためには「群を抜いた」クオリティを披露するしかありません。
しかし、いかんせん競争が激しすぎる。
僕のような凡人には「群を抜いた」クオリティを実現するのは難しいし、
そこで争うのは、分が悪すぎる。
ただ「親近感」の部分は、「質」の部分ほど熱心にやっている人は多くない。
僕は、そこに自分が勝つチャンスがあると思っています。
まだ手を出していない人が多いからです。
面白さは「質×親近感の面積」で決まる。
それなら、質だけではなく、親近感を高める努力を軽く見ていい理由はないはずです。
だから僕は、役者が今こそ高めるべきは親近感だと思うのです。
YouTubeでもSHOWROOMでも路上でもツイキャスでも、
親近感を高める努力をして、「質×親近感の面積」を大きくしていきたいですね!
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