僕は、自分に自信がなく、ヒトに見下されることをとても恐れています。
男性に多いと思うんですが、僕は無駄にプライドが高いんですよね。
僕は、そんな性格のせいで、すごく損をしていたなと、最近気づきました。
〜ザックリ見出し〜
【敵意帰属バイアス】
「敵意帰属バイアス」という言葉をご存知でしょうか?
これは、
「他人の行為を、全て敵意のあるものと考えてしまう心理傾向」
のことです。
他人の行為に、実際に敵意があるのかどうかは関係ありません。
敵意帰属バイアスを持った人は、たとえ他人の行為が好意に満ちたものでも、
「敵意がある」と思い込んでしまいます。
【典型的な「敵意帰属バイアス」所持者の僕】
僕は、常に自分に自信がないわけではないですが、路上をやっていると、
「面白くない」と言われたり、微妙な反応が続くこともあるので、
そんなときは、どうしても自信をなくしてしまいます。
そして、その自信がなくなる、うまくいかない時期だと、「見下されたくない」という高いプライドと相まって、
目の前の人が全員、自分を馬鹿にしているように見えることが、よくありました。
路上は笑われたり、馬鹿にされることが、本当によくあります。
メンタルが充実しているときは、無視できますが、
弱っているときは、その目線や嘲笑が、途端に僕の心を突き刺してきます。
そうすると、自分の方を見て、笑っている人はみんな、自分を馬鹿にしているように見えてくるのです。
【敵意帰属バイアスを持つと、どうなってしまうのか】
敵意帰属バイアスを持った僕は、目の前に起こること全てが、
自分を馬鹿にしているように見えてくるので、何よりまず楽しくなくなってきます。
そして(勝手に)馬鹿にされていると思い込みつづけた僕がどうなったかというと、
自分も他人を馬鹿にし始めたのです。
「世界は馬鹿ばっかだ。誰も俺を理解してくれない。馬鹿しかいないから、理解できないんだ」
と、テロでも起こしそうな危険思想を持ち始めます。(マジです)
そして、目の前の人を「また俺を馬鹿にしてくる、馬鹿が現れたよ」というように、馬鹿にし続ける。
なぜ、馬鹿にしてくる人を、馬鹿にするようになったかというと、
それは確実に、自分を守るためです。
見下されることを極度に恐れている僕は、「馬鹿にしてくるヤツはみんな馬鹿だから、気にする必要なんてないんだ」と思い込むようにすることで、自分を守っていたのです。
【敵意帰属バイアスから、僕を救った出会い】
そんなクソみたいな日々を送っていたある日。
僕は、中目黒でいつものように路上芝居をしていました。
いつものように、馬鹿にしてくるヤツらを馬鹿にしながら。
そんなとき、僕を見て、見下したような笑いを浮かべながら、通り過ぎた家族がいました。
僕は、また馬鹿にされた!また見下された!と思い、
「またかよ!」と、後ろを向きながら、かなり大きめの独り言を言いました。
しかし振り返ると、通り過ぎたと思っていた、その家族連れの方々が戻ってきていたのです。
「お芝居、やられてるんですか?面白そうなので、見せてください!」
僕はビックリして、敵意むき出しだった気持ちを必死に切り替えて、芝居をしました。
満足そうな笑顔を浮かべて、彼らは帰っていきました。
【無駄に高すぎるプライド】
中目黒で会ったそのご家族は、僕に自分の過ちを気付かせてくれました。
そして、その後たまたま見たキングコングの西野さんのYouTubeは、僕の過ちをさらに決定的なものにしました。
高すぎるプライドは、本当に厄介です。
役者として、「誰でも、絶対に楽しませられる」という自信を持ちながらも、
「まだまだ未熟で、まだまだ改善の余地もある」という謙虚さも、同時に持たなければいけない。
それから僕は、王様でありながらも、ポンコツを自覚するような矛盾を、自分の中で両立させるように意識しています。
おととい、和泉多摩川駅で通りすがりの中学生が、僕を見て言いました。
「何あれ、どう見てもイタイ奴じゃん!」
本当に馬鹿にしてくる人がいることも間違いないですが、
見てくれる人も絶対にいる。
馬鹿にしてくる奴に基準を置き、自分も他人を馬鹿にするようになってしまうと、
中目黒のご家族のように、本当はそうじゃなかったときに気持ちの切り替えがめちゃくちゃ難しくなる。
そんな精神状態では、他人を楽しませるというエンタメの本分が難しくなってしまう。
全く自信がない状態でも、他人を楽しませることはできないけど、
自信とプライドを高く持ちすぎても、ヒトを楽しませられない。
プライドをコントロールして、いつでもエンタメに集中できるメンタルを作っていきたいと思います!
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